ハンセン指数 21,746.72 pt (+0.04%)
中国本土株指数 7,350.34 pt (▲0.55%)
レッドチップ指数 3,967.57 pt (+0.10%)
売買代金1,407億7百万HK$(前日1,330億1百万HK$)
2022年の中国GDPは約50年ぶり、低成長の見込み
明日17日に中国第4四半期(22年10月-12月)GDP成長率など主要経済指標を控えるなか、中国国家統計局が16日に発表した昨年12月の新築住宅価格は前月比で0.2%下落だった。
14ヵ月連続で下落が続き、通年では2.3%下落と、足元の経済状況の悪さを印象付けた。前年比でも1.5%下落で8ヵ月連続で前年割れとなるなど、中国当局が昨年11月以降、不動産支援を打ち出したにもかかわらず、不動産市場の回復には時間を要することが示唆された。
住宅市場支援の一環で、中国人民銀行は新築不動産価格が3ヵ月連続で下落した都市に対して、住宅ローン金利の下限を段階的に引き下げるか撤廃することを認めており、不動産の潜在購入者への支援を打ち出すことで需給喚起を目論でいる。
2022年の中国経済のGDP成長率はわずか3%にとどまる見通しであり、約50年ぶりの低成長になると見込まれている。2023年の経済成長率は5%前後まで回復するとの期待もあるが、現状の成り行きではそこまでに到達することは難しい。
不動産業が、中国経済のGDPに占める割合は約3割近くある。第3四半期GDPでは、不動産業だけで前年比8.0%減少と全体へのマイナスの寄与度は大きかった。当局は不動産開発会社の借り入れ制限を緩和して流動性を支援するなどしたが、これだけでは足りず、追加策への期待が高まっている。
16日、中国人民銀行は中期貸出制度を通じ、満期到来分との差引で790億人民元の資金を市場に供給した。短期資金についてもリバースレポを通じ1,560億人民元を供給し、潤沢な資金供給を続けている。
金利は過去5ヵ月据え置いており、20日に最優遇貸出金利(ローンプライムレート)で住宅ローン金利に影響する5年物の引き下げ期待が高まっている。
香港ハンセン指数は4日続伸
16日の香港市場は、米国のインフレ鈍化を示すデータから米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが緩和されるとの見方が強まり、ハンセン指数は朝方0.9%高と堅調な動きで取引が開始された。
しかし、明日の中国経済指標の発表を控え、動意薄く、午後には伸び悩み反落、なんとか引けではプラス圏を維持し前日比0.04%高で取引を終えた。
スマホ関連や半導体部品が堅調となり、スマホ部品メーカーの瑞声科技(2018)は11.4%高、マートフォン部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は4.0% 高、ガラス大手の信義玻璃(0868)は3.8%高、半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は1.2%高と堅調だった。
金融銘柄も物色され、商業銀行の招商銀行(3968)は2.1%高、HSBC(0005)は2.1%高、中国中信(0267)は1.6%高、中国四大銀行の中国工商銀行(1398)は1.2%高だった。
一方、ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比1.06%と反落した。クラウドサービスの金蝶国際集団(0268)は4.6%安、PC大手のレノボ(0992)は4.0%安、動画投稿の快手(1024)は3.9%安と市場を大きくアンダーパフォームした。
中国本土株市場は上海総合指数は前日比1.01%高の3,227.59と3日続伸、CSI300は同1.56%高の4,137.96で引けた。両指数は約4ヵ月ぶりの高値水準まで上昇し、当局の経済対策に対する期待が市場を支えた。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>