人は誰しも「周りから認められたい、褒められたい」という思いを持っています。これが満たされると自己肯定感が高まり、仕事などにも良い影響を与えますが、日本人は「認める」「褒める」が苦手な国民性を持っているようだと、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント、中田仁之氏はいいます。では、上司として部下の自己肯定感を高め、良いパフォーマンスを発揮させるにはどうすればよいのでしょうか。みていきます。
「共感されるリーダー」かどうかの分かれ目
まずは第3階層の「社会的欲求(帰属欲求)」を満たしてあげることです。部下に対して『キミもチームの一員だ』ということを認知させてあげることが必要で、チームで一緒にするイベントや日常の目配り・声掛けで満たしてあげることができます。
その上で第4階層である「尊厳欲求(承認欲求)」を満たしてあげること、これができるかできないかが共感されるリーダーかどうかの分かれ目だと私は考えています。
具体的にどのようにして満たすのか? それは
①あなた自身の言葉で褒める
②第三者からの賞賛をあなたが伝えてあげる
の2つが効果的です。
あなた自身の言葉で褒めるには、部下の小さな良い部分を見つけて言葉にして伝えることです。人の良い部分は、悪い部分に比べてなかなか目につきにくいですが、リーダーはそこを見つける眼を養うことが必要で、それは経験を積むことによって身についていきます。
また、あなた自身の言葉ではなく第三者の言葉を伝えてあげることも大きな効果があります。
「先日の役員会議でキミの名前が挙がり、役員が良く頑張っていると褒めていたよ。僕も嬉しくなったぞ、ありがとう」
「お客様のHさんがすごくキミに感謝してるとおっしゃっていたよ」
のように、あなた以外の人から聞いた部下の褒め言葉を伝えつつ、あなたもそれを聞いて嬉しかった、と伝えてあげることで部下のセルフイメージは格段に上がっていくのです。
そのためにも、あなた自身が第4階層もしくは第5階層「自己実現欲求」のステージにいる必要があります。リーダーである以上、すでに第5階層にいるとは思いますが、あなたはいかがでしょうか?
中田 仁之
株式会社S.K.Y.代表取締役
中小企業診断士
株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
株式会社A.B.United代表取締役
内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
2025大阪・関西万博共創パートナー
1969年大阪生まれ。
幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。
卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。
「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。
2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。
主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。
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