(※写真はイメージです/PIXTA)

人は誰しも「周りから認められたい、褒められたい」という思いを持っています。これが満たされると自己肯定感が高まり、仕事などにも良い影響を与えますが、日本人は「認める」「褒める」が苦手な国民性を持っているようだと、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント、中田仁之氏はいいます。では、上司として部下の自己肯定感を高め、良いパフォーマンスを発揮させるにはどうすればよいのでしょうか。みていきます。

成果を上げるため…「部下のセルフイメージ」を高める

あなたの部下はセルフイメージが高いですか? それとも低いでしょうか? セルフイメージとは「自己肯定感」とも言われます。

 

セルフイメージが高い人はプライドを満たしてもらっている人です。リーダーや家族から認めてもらえる、褒めてもらえることで、自分のプライドが満たされます。すなわち、自分を信じること=自信が満ちてくるのです。

 

自信を持って取り組んでいると、少々の困難なら気づかないうちに解決できます。中程度の困難に対しては粘りが生まれますし、かなりの困難に対しては立ち向かう勇気が湧いてきます。

 

日本人はどうもこの「認める」「褒める」が苦手な国民性を持っているようです。ある調査によると、親から認められていると感じている日本の高校生は約3割しかいないそうで、アメリカの3分の1、韓国の半分以下という数字が出ています。

 

リーダーであるあなたも、経営者や上司から認められたい、褒められたいという思いは当然おありだと思います。

 

アブラハム・マズローという「人間性生理学」の第一人者が提唱した『欲求5段階説』というものがあります。人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる考え方です。

 

あなた自身、あるいはあなたの部下を思い浮かべながら読んでみて下さい。第1階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。この欲求がある程度満たされると次の階層「安全欲求」を求めるようになります。

 

第2階層の「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。この「安全欲求」が満たされると、次の第3階層である「社会的欲求(帰属欲求)」(集団に属したり、仲間がほしくなったり)を求めるようになります。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなると言われます。

 

ここまでの欲求は、外的に満たされたいという思いから出てくる欲求(低次の欲求)で、これ以降は内的な心を満たしたいという欲求(高次の欲求)に変わります。

 

「社会的欲求」の次に芽生える欲求は、第4階層である「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)です。そしてその「尊厳欲求」が満たされると、最後の第5階層「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれます。

 

この中で、リーダーであるあなたが部下に対して必要とされる出番はどの階層でしょう?

 

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※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

中田 仁之

株式会社ユサブル

困った部下(=指示待ち族、指示に従わない、手を抜く)にお困りのリーダーは経営者や管理職を問わず非常に多いようです。 ある「5つのメソッド」を念頭に、リーダーとしての「姿勢」をもう一度見直してみてみることで、あ…

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