ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は、正確には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。「ものづくり」と名前がついていますが、対象となる業種は、名前から連想される「製造業」に限りません。その他にも商業サービス業を広く対象としています。
以下の3つのいずれかのための設備投資を行うことが要件とされています。
・革新的なサービスの開発
・新商品(試作品)の開発
・生産プロセスの改善
補助対象事業者は、中小企業と、資本金10億円未満の「特定事業者」です。
◆ものづくり補助金(一般型)の5つの「枠」
ものづくり補助金には全部で以下の5つの枠があります。
・通常枠
・回復型賃上げ・雇用拡大枠
・デジタル枠
・グリーン枠
・グローバル市場開拓枠
従来は「通常枠」のみでしたが、13次締切分から「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」が新設されました。
また、14次締切分において、「グリーン枠」が3類型に拡充され、「グローバル市場開拓枠」が新設されました。
「通常枠」以外の枠の概要は以下の通りです。
【回復型賃上げ・雇用拡大枠】
業況が厳しいながらも賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者を支援
【デジタル枠】
「DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービスの開発」または「デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上」に必要な設備・システム投資に取り組む事業者を支援
【グリーン枠】
「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発」または「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上」に必要な設備・システム投資等に取り組む事業者を支援
【グローバル市場開拓枠】
海外事業の拡大・強化等を目的とした「製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に取り組む事業者
「14次公募」における重要な変更点
14次公募においては、重要な変更点が3つあります。以下、説明します。
◆変更点1|「グリーン枠」を3類型へと拡充
「グリーン枠」について、温室効果ガス排出削減の取り組みの段階に応じてさらに「エントリー類型」「スタンダード類型」「アドバンス類型」の3類型に拡張し、それぞれについて別個に補助金額を設定することになりました。
3類型のイメージはそれぞれ以下の通りです。
・エントリー類型:初歩的な取組を行っている、または取組の前段階
・スタンダード類型:高度な取組を行っている(従来のグリーン枠)
・アドバンス類型:高度な取組を行っており、かつ、所定の公的評価等の「+α」の要件をみたしている
詳細は後述します。
◆変更点2|「グローバル市場開拓枠」の新設
「グローバル市場開拓枠」が新設されました。
これは、海外事業の拡大・強化等を目的とした「製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に取り組む事業者を対象としたものです。
なお、13次締切分以前は「ものづくり補助金」は「一般型」と「グローバル展開型」とに区別されていました。それが、14次締切分から「グローバル展開型」が「一般型」に吸収され再編された形です。
◆「大幅賃上げ」の場合に補助上限額を引き上げ
「通常枠」「デジタル枠」「グリーン枠(3類型)」「グローバル市場開拓枠」については、「大幅賃上げ」をした場合、従業員数に応じて、補助金の上限額に以下の金額が上乗せされ、引き上げられることになりました。
・従業員数5人以下:100万円
・従業員数6人~20人以下:250万円
・従業員数21人以上:1,000万円
「大幅賃上げ」の要件は以下の通りです。
(1)事業計画期間において、給与支給総額を年率平均6.0%以上増加とすること
(2)事業計画期間において、基本要件(※後述)である地域別最低賃金+30円以上の水準とすることに加え、事業場内最低賃金を毎年年額+45円以上増額すること
(3)応募時に上記(1)(2)の達成に向けた具体的かつ詳細な事業計画を提出すること