「やっと静かな生活に戻れるよ」…年金月23万円・70代夫婦、“お盆帰省”をしていた可愛い孫との別れに「思わずホッとした」密かな本音

「やっと静かな生活に戻れるよ」…年金月23万円・70代夫婦、“お盆帰省”をしていた可愛い孫との別れに「思わずホッとした」密かな本音
(※写真はイメージです/PIXTA)

「夏休みはおじいちゃん・おばあちゃんの家に行く」……小さな子どもにとっては旅行のような楽しみであり、その親にとっては「孫を見せる親孝行」。しかし、迎える祖父母側は嬉しさのなかにも、膨らむ出費と体力・家計の限界という現実も……。お盆の帰省に関するシニア世代の本音と、子どもや孫との適切な距離感とは?

可愛い孫のはずが…つい零れた本音「ようやく帰ったな」

「じぃじ、ばぁば! バイバイ、またね!」

 

玄関前に停めた車から手を振る孫たち。幸子さん(仮名・71歳)は、車が見えなくなるまで笑顔で見送った後、安堵のため息を漏らしました。

 

「……やっと帰ったか」

 

夫の昭三さんから、そんな言葉が思わず零れ落ちました。“ようやく静かな生活に戻れる”――それは、“嵐のような4日間”を走り抜けた夫婦の偽らざる本音でした。

 

幸子さんは、同い年の夫・昭三さん(仮名)と栃木県で二人暮らし。夫婦合わせた年金収入は月に約23万円です。約1,300万円の蓄えはあるものの、物価高や将来の医療費などを考えると、あまり贅沢はできません。

 

幸子さんの楽しみは、保護してから10年ほど飼っている愛猫を傍に置きながら、静かに編み物をしたり読書をしたりする時間です。

 

ところが、お盆休みなどの大型連休になると、その平穏な時間は一変します。年末年始に続き、今年のお盆休みも都内に住む長女・長男一家が4日間帰省してきました。

 

「じぃじ、遊んで!」
「プール入りたい、お庭に出して」

 

総勢4人の孫。いとこ同士会えて嬉しいのもあるのでしょう。連日の猛暑日にもかかわらず、とにかく元気いっぱいです。庭にビニールプールを用意し、夜はバーベキューに花火。都内ではなかなか楽しめない“田舎の夏休み”を孫は満喫していました。

猛暑と物価高で膨らむ「孫マネー」と削られる体力

滞在中の出費も馬鹿になりません。奮発して買い込んだ食材やケーキ、ジュース、アイスクリーム。普段は使わない部屋も連日のエアコンフル稼働。さらに、近場の水族館や温泉施設での出費や孫へのお小遣いも重なります。

 

たった4日間で、あっという間に10万円近くが飛んでいく。――特に孫の成長に合わせて食費は増え、物価高も相まって負担は大きくなっていました。

 

ソニー生命が実施した「シニアの生活意識調査2025」によると、この1年間で孫のために出費をしたシニア(50歳~79歳の男女)における「孫のために使った金額」の平均額は11万3,074円でした。

 

前年の調査結果(10万4,717円)と比較すると、平均額は8,357円増加しています。 金額の分布を見ると、最も多いボリュームゾーンは「5万円~10万円未満(20.8%)」ですが、「年50万円以上」と答えた人も3.9%に上るという結果が出ています。

 

「物価高に加えてエアコン代まで跳ね上がるこの時期に、4日間は少し長いと感じますね」

 

幸子さんも昭三さんも、本音ではそう思っています。一方で、子どもたちが「孫に会いたいだろう」と親孝行のつもりで帰省しているのもわかっています。車で数時間かけて来たのだから、ある程度まとまった期間を実家で過ごしたい気持ちもわかります。

 

「孫は本当に可愛いですし、楽しんでくれたら嬉しい。だから、つい頑張ってしまうのですが……熱中症に気を遣いながら外に付き合うのは大変ですよ。正直2日目の昼過ぎには『早く静かな日常に戻らないかな』と心のどこかで思ってしまうほどでした」

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