(※画像はイメージです/PIXTA)

2023年1月11日、「ものづくり補助金」(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の「14次締切分」の公募要領が公表されました。申請受付は3月24日(金)17:00~4月19日(水)17:00です。多くの業種が対象となっており、中小事業者にとって大いに活用のチャンスがあります。また、重要な改正点もあります。そこで、本記事では、ものづくり補助金14次締切分の概要について解説します。

補助対象事業の共通要件

補助対象となる事業の要件には、4つの枠に共通する「事業の期間に関する要件」「基本要件」があります。

 

◆事業の期間に関する要件

以下の期間内に、発注・納入・検収・支払等のすべての手続きが完了することが必要です。

 

【通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠】

・交付決定日から10ヵ月以内

・採択発表日(2023年6月中旬頃)から12ヵ月後の日

 

【グローバル市場開拓枠】

・交付決定日から12ヵ月以内

・採択発表日(2023年6月中旬頃)から14ヵ月後の日

 

◆基本要件

以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定していることが必要です。

 

・事業計画期間において、給与支給総額を「年率平均1.5%以上」増加

・事業計画期間において、事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」にする

・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を「年率平均3%以上」増加

 

ただし、「給与支給総額」の要件については、被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、「年率平均1%以上」増加となります。

 

以上の共通要件に加え、新設された「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」にはそれぞれ特有の要件があります。

「回復型賃上げ・雇用拡大枠」に特有の要件

「回復型賃上げ・雇用拡大枠」は基本要件に加え、以下の要件をすべて満たす必要があります。

 

・前年度の事業年度の課税所得がゼロ以下であること

・常時使用する従業員がいること

・補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること

 

「デジタル枠」に特有の要件

「デジタル枠」は基本要件に加え、以下の(1)(2)(3)の要件をすべて満たす必要があります。

 

◆要件(1)以下のいずれかに該当する事業であること

まず、以下のABいずれかに該当する事業であることが必要です。

 

・A. DX(デジタル・トランスフォーメーション)」に資する革新的な製品・サービスの開発

・B. デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善

 

「DXに資する革新的な製品・サービスの開発」の例として挙げられるのは、「AI」・「IoT」、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発等です。

 

「デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善」については、単なるデジタル製品の導入やアナログ・物理データの電子化だけでなく、既存の業務フローそのものの見直しを伴う必要があります。

 

◆要件(2)

次に、経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の「自己診断」を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していることが必要です。

 

◆要件(3)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ または「★★」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていることが必要です。

 

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