お金をかけるか、人材の成長を取るか
■店内ストレスのアップデートは月1回全体ミーティング
一度ストレスフリーを完成させて作りっぱなしにすることほどもったいないことはありません。毎月1度は最低でもアップデートするミーティングを設けましょう。
これは当社クライアント必須課題の一つでもあるのですが、必ず新たなストレスを各プロセスに1つ生み出すというものです。毎月1つなので大変です。
しかし、なぜこの取り組みを必須課題にしているのかというと、店内に無数に存在する顧客満足度を下げる要因を一つひとつ消す癖をつけてもらいたいからです。
良い口コミが集まるようになってきて伸び悩む店舗があるのですが、理由はそれまで努力をしていたことをやめてしまったからです。
良い口コミを見て来店するお客様の期待値は高いです。
あなたも食べログをはじめとした口コミサイトを見て店選びをして「今日の店は3.7点だ! 絶対にいい店だ!」と意気込んだ瞬間、確実に期待値は上がります。
これが反対に3.0点でも他に店がないから仕方なく選べば、当然ながら期待値は下がります。多少のミスやストレスがあっても「まぁ3.0点だし」と諦めがつきます。しかし、3.7点ではそうはいきません。
口コミ集客に力を入れるというのは、終わりのない店舗価値を引き上げ続ける習慣や文化を構築することに他なりません。広告を打たなくてもお客様が集まる店を作ることは可能ですが、お金で集客代行(広告)する代わりに人材を成長させることで集客をすることと言い換えられます。
お金をかけるか、人材の成長を取るかの二択です。
前者はどんどん獲得単価が上がり続けているので依存するのは危険だと思います。
来店するお客様の期待値が高まる分期待に応えることができると口コミ投稿の文章も写真も質が向上します。より新しい顧客を誘引する素晴らしい口コミが量産されます。
口コミを見て来店しているのでサービスに満足すれば口コミを投稿するのが当たり前の状態になるため、投稿難易度も下がります。この理想的な状態を作るためにも常に店舗サービスをアップデートし続けることが大切なのです。
すでに完璧だよね、と思えるようなプロセスも「日本一のレベルになってる?」と敢て思考の枠を取っ払うようなワードで店舗スタッフの創造性を高めてみるのもおすすめです。
他にも「地域ナンバーワンって言い切れる?」「県下ナンバーワンのプロセスになってる?」と投げかけてみましょう。小さくまとまりがちな思考が拡大してより顧客にとって快適な店内に成長させることができるでしょう。
私が研修でよく使う言葉の一つに、「ベターはあってもベストはない」があります。
良い、より良い、はあっても完璧はありません。どのプロセスも完成することがないので常に向き合って穴(ストレス)を見つける努力をしていく店こそが、良質な口コミを集めて集客コストゼロ円を実現できるのです。
成田 直人
ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役