(※写真はイメージです/PIXTA)

「名ばかり管理職」。役職者でありながら、権限も報酬的な手厚さもほぼないようなポジションが、日本の職場には存在しています。日本社会の構造が生んだといえる、グレーな地位。忍耐だけでやり過ごすにはあまりに理不尽です。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、管理職への非道な対応の違法性について勝浦敦嗣弁護士に解説していただきました。

法律上「管理監督者」といえる範囲はかなり狭い

(※写真はイメージです/PIXTA)
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「管理監督者」とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者に限られると解されています。

 

具体的には、以下のような観点から判断されることになります。

 

1.当該労働者が実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職務と責任、権限を付与されているか

2.自己の裁量で労働時間を管理することが許容されているか

3.給与等に照らし管理監督者としての地位や職責にふさわしい待遇がなされているか

 

仕事内容は大半が現場での実務であってマネジメント業務を行っている時間は限られている、部下を評価する権限も与えられてない、経営会議などの経営上の重要な会議に呼ばれていない、遅刻をすると減給される、管理職になる前に比べると残業代が出ない分給料が下がってしまった、などという事情がある場合、管理監督者ではないと判断される可能性は高くなります。

 

一般的に「管理職」と呼ばれる範囲に比べると、法律上「管理監督者」として認められる範囲はかなり狭いものと考えてください。

 

一般的な企業の課長や係長のほとんどは、「管理監督者」に当たりません。部長や外資系企業のマネージャーであっても「管理監督者」に該当しない方はたくさんいるはずです。

 

お心当たりのある方は、「管理職だから残業代がでない」という会社の説明を鵜呑みにすることなく、弁護士に相談なさることをお勧めします。

 

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