(※写真はイメージです/PIXTA)

「正規版が有償で提供されている著作物に対し、違法アップロードされていると知りながらダウンロードすることは犯罪である」ということは、TVCMや映画館などでも注意喚起がなされています。では、実際に違法ダウンロードしてしまい、著作者から発信者情報開示請求を受けてしまったら、どのように対応すればよいのでしょうか。実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、著作物の違法ダウンロードについて永岡孝裕弁護士に解説していただきました。

アニメをダウンロードしたら開示請求が届き…

相談者のひーさん(仮名)は、先日、プロバイダから、発信者情報開示に係る意見照会書が届き、困惑しています。内容は、以下のようなものでした。

 

この度、貴方が発信されました、テレビアニメーション作品の情報の流通により権利が侵害されたと主張される方から、貴方の発信者情報の開示請求を受けました。

 

ひーさんはファイル共有ソフトでアニメを違法ダウンロードしましたが、自身が観るのみで、アップロードした記憶がないようです。

 

先方と示談をしたいと思っていますが、その前に弁護士に相談すべきか、ココナラ法律相談「法律Q&A」に相談しました。

じつは令和3年1月より大きく改正されていた“著作権法”

「アップロードした記憶がない」点について

まず、相談者様は「ファイル共有ソフトでアニメを違法ダウンロードした」が、「自身が観るのみで、アップロードした記憶はない」とのことですね。

 

有名なファイル共有ソフトとしては、Bittorrent(ビットトレント)やµTorrent(ミュートレント)などがありますが、これらのソフトは初期設定で「自分がダウンロードしたファイルは、自動的に他ユーザーに対して自分もアップロードする」という設定になっています。

 

したがって、ご相談者様が初期設定のまま、これらのファイル共有ソフトを用いて「個人で視聴するため」というつもりでアニメや漫画をダウンロードすると、自分の預かり知らぬところで自動的に自身も違法アップロードを行ってしまっていることになります。

 

(※なお、令和3年1月1日より改正著作権法が施行され、漫画や書籍を含む著作物全般について私的使用目的であっても著作権侵害として違法となり、ダウンロードした者は損害賠償責任を負う場合があります。)

 

本件でも、「アップロードした記憶はない」のに意見照会書が来た理由は、上記の仕組みを通して相談者様が預かり知らぬうちに違法アップロード行為を行っていた可能性が高いと思われます。

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