※画像はイメージです/PIXTA

「ポイズンピル」とは、敵対的買収の対象となった企業が講じる防衛策の1つです。大きく「警告型」「有事導入型」「信託型」に分けられます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。ポイズンピルの注意点や発動された事例も紹介します。

ポイズンピルの注意点

敵対的買収の防衛策として用いられるポイズンピルは、既存株主から反対の声が上がる可能性があります。状況によっては、新株発行に対する差止請求が行われる可能性もあるでしょう。注意点をよく確認したうえで導入・発動を決める必要があります。

 

ポイズンピルに対し反対の声もある

防衛策としてポイズンピルを導入しようとしても、既存株主に反対されるかもしれません。たとえば敵対的買収によって企業価値が高まるケースです。

 

買収を受け入れたほうが企業価値が高まり株主にとって有利になるにもかかわらず、それを拒むのは経営者の保身と捉えられてしまうでしょう。

 

また新株の発行により、株主が有利な価格で株式を売却する機会を失うかもしれません。加えてポイズンピルで買収者の持株比率を下げられたとしても、さらなる買い増しにより買収される可能性もあります。

 

株主の利益につながらない新株発行と解釈されれば、『新株発行差止請求』をされかねません。

 

■株価はどうなる?

新株予約権の行使により株式の総量が増えると、1株あたりの価値が低下すると考えられます。そのため、なかには新株発行を避けたがる株主もいます。

 

反対の声が多いなか、新株発行を強行すれば、株主との関係性が悪化するかもしれません。場合によっては株主が買収者側につく可能性もあります。

 

ただし、必ずしもポイズンピルの発動で株価が下がるとは限りません。同じようにポイズンピルを発動した会社でも、株価の動きはさまざまです。下がるケースも上がるケースも影響を受けないケースもあります。

 

新株発行の差止請求がある可能性も

株主は新株発行の差止を請求できます。請求できるのは『法令もしくは定款違反』か『極めて不公正な方法による場合』であり、かつ『株主が不利益を被る恐れ』がある場合です。

 

敵対的買収の防衛策として新株予約券を発行するのは、法令にも定款にも違反していません。しかし買収者からすると防衛策であることは明らかなため、新株予約券発行の目的外使用と考えられます。

 

新株予約権の発行について必要性や相当性が十分でないと判断されれば、差止請求の可能性があります。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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