※画像はイメージです/PIXTA

「ポイズンピル」とは、敵対的買収の対象となった企業が講じる防衛策の1つです。大きく「警告型」「有事導入型」「信託型」に分けられます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。ポイズンピルの注意点や発動された事例も紹介します。

ポイズンピルの種類

防衛策であるポイズンピルには、平時のうちから防衛策を掲げる『警告型』と、買収者の出現により導入・発動する『有事導入型』があります。これらの防衛策が取られ、新株予約権が行使されると、どのような状況になるのでしょうか?

 

警告型のポイズンピル

まだ買収者が出現していない段階で、買収者が現れた際の防衛策を知らせておくのが『警告型』のポイズンピルです。防衛策は会社法に従い開示する『事業報告書』への掲載や、『発行登録書』の提出で事前警告します。

 

事前警告の内容には『有事の際には買収防衛策を講じること』『防衛策の導入目的』『防衛策の発動・不発動のプロセス』などを含めるのが一般的です。

 

買収者が現れると、記載されている内容の通りに新株予約権を発行し全株主に割り当てます。ただし買収者だけが行使できないという条件付きです。

 

有事導入型のポイズンピル

『有事導入型』のポイズンピルでは、買収者が現れてから防衛策を導入します。導入から発動までの流れは下記の通りです。

 

1.取締役会で防衛策の導入を決議
2.株主総会で新株予約権の発行を承認
3.新株予約権の無料割当

 

ポイズンピルによる防衛策は警告型が主流でした。しかし近年は、このように買収者が登場してから防衛策を導入する事例が続いています。

 

新株予約権を行使された場合どうなる?

株主に割り当てられた新株予約権が行使されると、買収者の持株比率は下がります。新株予約権の行使により、株主には新しく発行された株式が交付されるからです。

 

持株比率は会社への影響力を大きく左右します。そのため買収を目指すなら過半数の取得を目指すケースが多いでしょう。

 

しかし持株比率が下がると、買収者が計画通り敵対的買収を成功させるには、新株予約権が行使される前より多くの資金がかかります。取得までに時間も必要です。

 

また株式数が増えるため、1株あたりの価値が下がることも買収者にとって不利に働きます。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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