※画像はイメージです/PIXTA

「ポイズンピル」とは、敵対的買収の対象となった企業が講じる防衛策の1つです。大きく「警告型」「有事導入型」「信託型」に分けられます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。ポイズンピルの注意点や発動された事例も紹介します。

新株予約権を活用した防衛策を知ろう

ポイズンピルは『新株予約権』を活用した敵対的買収の防衛策です。どのように敵対的買収へ対策する方法なのか詳しく理解するために、まずは新株予約権について解説します。買収者が敵対的買収を断念する経緯もみていきましょう。

 

新株予約権とは

権利の行使により、新たに発行された株式を交付されるのが新株予約権です。このとき株式の価額はあらかじめ決まっているため、その価額より市場における株価が高いタイミングなら、差額分を利益として受け取れます。

 

市場の株価が上がるほど、株主が利益を得られる権利です。また新株予約権には、下記の通りさまざまな種類があります。

 

・ライツ・イシュー
・新株予約権付社債(ワラント債)
・転換社債型新株予約権付社債(CB)
・転換価額修正条項付転換社債型新株予約権付社債(MSCB)
・行使価額修正条項付新株予約権(MSワラント、MSSO)

 

有利発行で敵対的買収を断念させる

新株予約権を敵対的買収の防衛策として利用するときには『有利発行』を活用します。有利発行とは、株主以外の第三者へ新株予約権を発行するときに、有利な価格を設定することです。

 

本来の株価より割安に株式を取得できるため、新たな株主を集めやすい方法といえます。有利発行により新株予約権を発行し、株主が権利を行使すると、相対的に既存株主が保有する株式の価値が下がる仕組みです。

 

加えて、敵対的買収を画策している買収者の持株比率も低下します。経営権を取得するには、過半数の株式を取得しなければならず、コストの高まりにより買収を断念する結果も起こり得ます。

 

ただし新株予約権の発行による防衛策は、上場企業に限定された方法です。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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