※画像はイメージです/PIXTA

M&Aの最初のプロセスとなるソーシング。ターゲット企業を選定し、さらにターゲット企業との交渉を行う段階となります。詳しくみていきましょう。

M&Aにおける「ソーシング」とは

M&Aにおけるソーシングとは、具体的にどの段階を指すのでしょうか?理解を深めるため、まずはソーシングの全体像を把握します。エグゼキューションと比較することで、さらに分かりやすいはずです。

 

M&A相手を選定、交渉するまでの流れ

『ソーシング』とは、M&Aのターゲットとなる企業の『選定』と、買い手企業との『交渉』を進める段階を指します。ただし、単に選定と交渉のことだけを意味するわけではなく、選定と交渉の間に行うべき全ての作業を含む言葉です。

 

そのためM&Aの全工程の中で、ソーシングは大きな割合を占めています。ソーシングに含まれる具体的な工程は下記の通りです。

 

・仲介会社への相談

・秘密保持契約締結

・アドバイザー契約

・各種調査・分析

・企業価値評価

・買い手の選定

・交渉用の資料作成

・スキームの決定

・条件交渉

・基本合意書の締結

エグゼキューションとの違い

同じくM&Aの工程を示す言葉に『エグゼキューション』があります。エグゼキューションとソーシングの違いは、ターゲットとなる企業との交渉前か後かです。

 

交渉前に行う基本合意書の締結までを示すソーシングに対し、エグゼキューションは交渉が始まってからの工程を示します。契約書の作成や税務調査・法務調査など、専門家への依頼が必要な工程です。最終的な案件成約までを含みます。

まずはM&Aの準備から

ソーシングに含まれる各工程で何を行うかを見ていきましょう。まず実施するのは、売り手自身が実施するM&Aの準備です。『目的』や『目標』を決め、『仲介会社』を選びます。

M&Aの目的や目標を決める

自社では何を達成するために、M&Aを実施しようと考えているのでしょうか?たとえば後継者がいない会社の承継を目的としているのか、M&Aで資金を得たいのかによって、今後の方針は大きく異なります。

 

加えて目標も決めましょう。そのときに重要なのが、妥協できない点を明確にすることです。たとえば『全従業員の雇用』が絶対条件で『売却価格』は二の次と認識できていれば、買い手企業を絞り込みやすくなります。

 

ほかにも役員や従業員の『待遇』、『屋号』や『商標』の利用の可否など、多くのことを決めなければいけません。

M&A仲介会社を選定、相談する

自社で目的や目標を定めたら、『M&A仲介会社』を選定し相談しましょう。相談時のヒアリングで先に決めていた目的や目標を伝えます。仲介会社は、ヒアリングした内容をもとにアドバイスを実施するため、よく確認した上で契約を締結しましょう。契約締結後はより詳細な会社の情報を求められます。すぐに提出できるよう、下記の資料を用意しておくとスムーズです。

 

・登記事項証明書

・事業報告書

・確定申告書

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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