駅から遠いい店舗にもチャンスはある
■駅近や好立地ではなくてもお客様が集まるようになる
これまでの店舗ビジネスの勝ちパターンの王道の一つに「駅近物件」がありました。今でも飲食店などの大手チェーン店はどこも駅近物件。高い家賃が広告塔となり多くのお客様の来店につながっていました。
しかし、今はどうでしょう。
駅前の看板を見て「ここの居酒屋にするか?」とすぐに飛び込むでしょうか。それよりも食事をするエリアを決めて半径500m〜1㎞ と決めて口コミ評価のランキング順に検索をして店舗選択をしないでしょうか。
これまでは駅近が集客の勝ちパターンだったのですが、今は口コミ評価を高めてエリアでナンバーワンを目指すことで、常に予約でパンパンな繁盛店を作ることができます。
半径1㎞圏内というのは、実際に利用してみるとわかるのですが、直線距離というのもあり結構遠いです、それでも実際に電話をしてみれば満席であることがほとんどですし、希望の時間で取れないことが多いです。
飲食店の店舗選択の基準がこれまでの駅近から、マップ上で移動距離ギリギリまで広げてその中で最も口コミ価値の高い店を選ぶ、というパターンが構築されているからこそ、今後は飲食店に限らず他の業種・業態も同様に選ばれるようになるでしょう。
今はまだ、旧来の飲食店集客媒体のように、HPを作成して、初回来店にディスカウントを入れて集めるという手法が主流の業界は特にそうなるでしょう。しかし、必ず各種サイトをはじめとした口コミ型来店動機に変わっていくことでしょう。
綺麗なHPを作って初回来店のディスカウントで誘客できるほど甘くありません。多くの見込み客は、綺麗なHPを見た後に「△△店 口コミ」とか「××店 評判」と自分で検索をしているでしょう。
今のうちから使える口コミ媒体を活用して口コミ集客をしておくとよいでしょう。
そうすることで「広告媒体→口コミ媒体」の流れを作ることができ、予約・来店へとつながります。
逆を言うとこれまで資金がなく駅近出店できずに駅から遠い場所で出店せざるを得なかった店舗にもチャンスな時代になったということです。駅からの距離ではなく、店舗価値(商品・サービス・価格・接客・内装など)が高ければ選ばれるのです。
コツコツとお客様の信頼を獲得してきた駅から遠い店舗は、これまで積み上げてきたお客様との絆があるため、本連載に書いてある口コミ投稿までの流れはとてもスムーズにいくでしょう。
たとえば、これまでの飲食店は好立地・座席数を確保した資本投下型の店舗が繁盛店を作る成功パターンでしたが、口コミが一般的になってからは、駅から遠くても座席数が少なくても常連客を確実に作っていた小さな店舗も、出張で立ち寄る新規客が増え繁盛店になれる時代になりました。
私がよく行く沖縄の国際通りにあるこぢんまり(ほぼカウンター8席のみ)とした山羊専門店の女将は「ずっと地元のお客様ばかりだったけど、食べログが出てきてから本州のお客様も増えた!」と言っていました。
より本質的な店舗経営が求められることでイメージ広告に騙される人は減り、本当に良い店と出会って幸せな体験価値を得られることが当たり前の時代になると思っています。ですから、今駅から遠いところに店があっても大丈夫です。
駅からの距離が重要なのではなく、今来店してくださっているお客様のリピート率が高いことが重要です。馴染みのお客様が増えれば増えるほど繁盛する時代です。
店舗における外的環境(立地・ライバル店など)に落ち込んだり、振り回されるのではなく、来店してくださっているお客様にとってなくてはならない店を作っていくことを最優先に取り組んでいきましょう。
本連載では、それらのノウハウも網羅しているのでぜひ一緒に取り組んでいきましょう。