(※写真はイメージです/PIXTA)

繁盛店は顧客が入店してから退店するまでの間に「どんなストレスがあるのか」を理解しているため、先に手を打ちストレスの表面化を防ぐことができたので繁盛するのです。コンサルタントの成田直人氏が著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

入店から退店までのプロセス化

■入店から退店までのプロセスを明確にする

 

具体的に、どうしたら顧客が感動し思わず口コミを書きたくなる店舗を作ることができるのでしょうか。

 

その前に、先に謝っておきます。今から説明する話はとてつもなく地味です。

 

これから説明するのは家の建築ではなく、あくまで基礎工事です。家が建つ前に土地を掘ってコンクリートを流している土台です。しかしこれは最も重要な工程です。基礎工事をサボるとどれだけ立派な豪邸を建てても災害に弱くなります。

 

本連載における「基礎工事」とは、顧客が店内で一切のストレスや不快感、不満を受けない「ストレスフリー」を実現することです。それには、入店してから退店するまでの間、常に快適に過ごせる環境を作ることから始めます。

 

私の元には「どうしたらリピート率が上がりますか?」という相談がくることが多いです。

 

そして私が「今どうしてリピート率が低いのですか?」と聞くと、質問してくださった経営者の多くは考え込んでしまいます。

 

今顧客が感じているストレスを蔑ろにして、リピート率が上がる魔法を教えて欲しいというのは話がうますぎます。練習しないで試合に勝つと言っているくらい原理原則に反しているので、「まずはリピート率が低い理由を特定して、顧客が感じている不満を解消することから始めましょう」と伝えるようにしています。

 

もしかしたら口コミが手っ取り早く集められる方法を期待されていたかもしれませんが、それははっきり言って大変です。

 

それでも私はなぜ口コミ集客に振り切ることをクライアントにお願いしているのかというと、その大変さが参入障壁になっているからです。

 

店舗経営者や店長も、目先の集客方法に踊らされずに、腰を据えて良い店を作ることに集中しましょう。これが結果的に長く稼ぎ続けるための普遍的な成功ノウハウです。

 

そのために早速取り組んでいただきたいことがあります。

 

それが、入店から退店までのプロセス化です。

 

例えばアパレルであれば、「入店挨拶→商品閲覧→アプローチ→ニーズ確認→商品提案→試着→プラス1品提案→クロージング→会計→見送り」と挙げられるでしょう。ここでは10個のプロセスに分けましたが、30個のプロセスに細分化してみてください。

 

細かければ細かい方がよいですが、まずはたたき台で10個作り、少しずつ増やしていくのでもよいです。一気に30個出した方がよければそうするなど、お好きな方を選択してください。

 

プロセスの出し方としては、いつも来店してくださっているお客様(単独・ファミリー・カップル)を想定し、入店から退店の滞在フローをスタッフのみなさんと検討してみてください。ポストイットを用いていただくと入れ替えたりできるのでおすすめです。

 

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※本連載は成田直人氏の著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を罰すし、再編集したものです。

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

成田 直人

日本能率協会マネジメントセンター

広告費をかけて集客をするのが、これまでの店舗ビジネスの勝ちパターンでしたが、小売・サービス・飲食など、店舗にかかわるすべての業界において、広告の費用対効果が合わなくなってきており、それにともない一人の顧客の獲得…

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