チラシと口コミ集客の決定的な違い
■口コミ来店は平日の売上も安定する
口コミを見て来店するお客様は、平日・土日問わずに来店する傾向があります。
一般的に折込チラシは、金土日に日替わり商品を展開する集客方法を取り入れています。平日が暇で土日が忙しいというのが今の店舗ビジネスの基本的な集客状況でしょう。
もちろん口コミ集客に力を入れても土日に来店する顧客が多いことには変わりはないのですが、圧倒的に変化があったのが、平日来店客が増えたことです。
店舗を探している人は常時いて、近場で魅力的な店が見つかればすぐに足を運ぶという一定層の客層がいることがわかりました。
これまではチラシしか情報源がなかったのでチラシを見て、「今日(平日)じゃなくて土日に行こうか」と来店する日を延期します。口コミ集客だと口コミを目にした日にそのまますぐに行くことができるので平日にもお客様が集まるようになる、ということです。
下見要素ももちろんあるのですが、店舗に対する信頼・安心感があるため即決するお客様が多く、平日の売上は伸びるし安定的に利益を出してくれるようになります。
具体例を紹介すると、先に紹介した車関連用品店では平日の集客数が増えているだけでなく成約率が75%だったのが85%まで向上しました。つまり、13%アップで業績に大きなインパクトを残しています。店舗スタッフの感覚でも、自店舗で購入すると決めているお客様が増えた、競合比較が減った、という声が上がっています。
これは私のアルバイト経験でもあるのですが、平日があまりにも暇だとセールスの感覚が鈍ります。土日の売上が平日の3倍以上伸びるので対応するので精一杯でチャンスロスも多かったことを実感しています。
しかし、口コミ集客に力を入れることで平日の売上が底上げされていくので、アイドルタイムも少なく、常に集中力高く働けるのも従業員のモチベーションの維持につながっています。
本連載を読んでいる方全員が共感していただけると思うのですが、暇だとやる気も落ちるし、気分もダレる。気を抜いて仕事をサボってしまいがちです。
この間も同じように時給が発生しているため、いかに平日の売上を伸ばすかを考えた結果、口コミ集客に辿り着きました。
あなたの店舗の平日の売上はいかがでしょうか。人員に対しての集客が足りていないのであれば、口コミを見て来店するお客様が増えるので取り組まない理由はないでしょう。
コロナ禍となり土日の集客すら思ったほどではない店舗もあるかもしれません。そういった店舗も土日売上が「通常+口コミ集客」で上乗せされるので店舗経営の安定した売上獲得の一助となるでしょう。
これは取り組み続けた結果の副産物でもありますが、1店舗で受け入れられるお客様のキャパシティは決まっているので、平日の売上が安定し口コミが増え続ける限り、売上も伸び続けます。結果的にドミナント店舗を出店して売上を分散させるところまで集客が伸びることもあると思います。
これからの時代は企業成長を優先して出店してから新規集客に力を入れるよりも、こうして既存店舗での口コミ来店がある状態で分散させることができ、初動の集客になる状態でオープンできれば、赤字になることもないし、集客に躍起にならなくてもすみます。
だからこそ既存店舗は口コミの件数と点数を伸ばして平日の売上を安定させること、そして伸ばし続けることが重要です。
まずは既存店舗で集客の上限を作ってからドミナント店舗を出店するところまで、ぜひ本連載を活用して達成していただきたいです。