「12月13日~12月19日のFX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・11月以降の米ドル急落をもたらした大きな要因だった可能性のあるポジション調整の米ドル売りが峠を越えつつあるなら、CPIやFOMCを受けても米ドル下落拡大には自ずと限度ありそう。
・米ドル反発は、テクニカルには11月30日のパウエル発言をきっかけに米ドル下放れが起こる前までの保合い下限、137円半ばを大きく超えられるかが目安になりそう。
・以上から今週の米ドル/円予想レンジは133~138円を想定。
先週の米ドル/円…11月以降の米ドル急落が一服
先週の米ドル/円は、11月以降広がった米ドル急落がひと息つき、一時は137円台後半まで米ドル反発となりました(図表1参照)。
今週は、米11月CPI(消費者物価指数)発表やFOMC(米連邦公開市場委員会)など注目イベントが目白押しですが、そのなかで米ドル下落が再燃する可能性はあるのか、それとも既に12月2日に記録した133円台で米ドル下落は一段落したのかといったことについて今回は考えてみたいと思います。
11月以降の米ドル急落の特徴のひとつは、米金利とのかい離でした。米金利も低下はしましたが、飽くまで小幅にとどまるなかで、米ドルはそんな米金利低下で説明できないほどの急落となったのでした(図表2参照)。
このような米金利で説明できない米ドル急落は、年末特有のポジション調整の影響が大きかったのではないかと考えています。
越年前には、利益確定や損切りなどによるポジション調整が入りやすい傾向があります。今回の場合は、10月まで歴史的な米ドル高・円安が展開してきたため、米ドル買い・円売りポジションに大きく傾斜していた可能性があったことから、ポジション調整は米ドル売り・円買いが基本になったでしょう。
11月以降の米ドル急落のハイライトは、11月10日の米10月CPI発表後と、11月30日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長発言後の主に2回でした。この2回に共通したのは、米ドルの保合い下放れが起こったということです。
CPI発表前、そしてパウエル発言前は、ともに2~3週間、米ドル/円は4~5円程度の方向感を欠いた一進一退が続いていましたが、そのレンジを割り込んだことで米ドル下落が加速するところとなったのでした(図表1参照)。
相場は、小動きが続くとエネルギーが溜まるため、その小動きの終わり、別な言い方をすると保合い放れが起こると、溜まったエネルギーが発散されることで一転して一方向に大きく動く可能性が高まります。
上述のように、ポジション調整で米ドル売りが入りやすいところに、保合いを米ドル下放れとなったことから、米金利では説明できないほどの米ドル急落が起こった、それが11月以降の米ドル急落の基本的な構図だったのではないでしょうか。