2022年…印象的な「3つ」の出来事
2022年は、国際政治情勢に大きな変化があった年でした。特に
①ロシアとウクライナの戦争
②安倍晋三元総理の死去
③中国共産党・党大会
の3つが挙げられます。
2点目について、安倍元総理の功績のひとつは、「自由で開かれたインド太平洋戦略」(FOIP)を打ち出したことでしょう。アジア地域のみならず、アフリカや世界の自由主義と民主主義陣営を守るため、インドを取り込んだことが、安倍元総理の慧眼とされます。この構想が、将来の日本を救う可能性も十分に考えられます。
筆者個人は、2022年の上記3つの出来事を踏まえ、資産運用にも「自由で開かれたインド太平洋」が使えるのではと考えています。
マネーは「自由主義」と「資本主義」を好む
冷戦終了以降の「平和」の期間においては、経済のことだけを考えれば、ほぼ事足りました。しかし、今後は国際政治が、経済合理性に優先すると見られます。
これに合わせ、マネー(お金)の行先にも変化があると考えるのが自然です。
なぜなら、マネーは、「自由主義」と「資本主義」を好むためです。マネーは、自由主義と資本主義の下で、最も多く増殖できます(そして、それら2つの下で、マネーが最も激しく暴れ回ることも事実です)。
投資家としてはおそらく、マネーが最も多く増殖するところに、資本を投じたいと考えるでしょう。
冷戦終了以降の「平和」の期間においては、マネーは世界中、ほとんどどこにでも投じることができましたし、投資家は、数多くの選択肢のなかで高い成長を持つところに投じようと思案しました。
今後、世界がいくつかの「極」に分かれていくとすれば、(自由主義と資本主義を好む)マネーの行き先は、政治の動きに影響されつつ、以前よりも狭まるように思えます。
そこで筆者は、投資先の候補として「インド太平洋」を挙げたいと思います。具体的には、
①(気候変動対応を含む)経済安全保障関連の日本企業
②インド:次なる世界の工場、需要地
③米国:自由主義・民主政治陣営のなかでの農業・資源・軍事の大国
の3つです。