「独占販売権」による差別化
ある商品やサービスの独占販売権を獲得することも差別化要因になります。
「特殊技術」による差別化
自社独自の特殊技術はそのまま差別化要因になります。たとえば、ガラススペシャリスト養成スクールである「Glassアカデミー」は、ガラスを再生する特殊技術を持ち、この分野での差別化を図っています。
「時短/スピード」による差別化
他社よりも早く提供される商品やサービスは差別化になるといえます。有名なのはアスクルでしょうか。その名のとおり、注文した商品が明日届くというスピード感が受け入れられました。
■実はスピードが差別化要因だった例
とあるウェブ制作会社の社長は長いあいだ、他社との差別化に悩んでいました。ウェブ制作会社は世の中にたくさんあり、価格以外での差別化が難しいのです。そこで社長は、既存の顧客にヒアリングをしてみることにしました。なぜうちに注文をくれるのですか? と複数の顧客に聞いたところ、“対応スピードが早いからです“という答えが返ってきました。
それまで彼自身は、優れたデザイン能力こそが自社の差別化要因だと考えていたのですが、実は違ったのです。他社にはないスピード感こそが他社にはない差別化要因だったのです。
「鍵となる人脈」による差別化
社外の重要な人物との人脈は差別化要因になり得ます。特に法人向けビジネスにおいては、“あの人の推薦なら……“という感じで大型案件が決まることはよくあります。
また、有名なMBAコースなどでは、卒業生たちのネットワークを非常に重視しています。有名なMBAの卒業生は将来、各業界の重要なポジションに就く可能性が高く、それがビジネス社会で活躍するにあたって、重要な武器になるのです。
「独自の世界観/価値観/ストーリー」による差別化
世界観とは、その会社が目指している世界やそこに生きている人間に対するものの見方のことです。価値観とは、その会社がなにを大切にしているかを指します。ストーリーは、その会社の創業物語や商品が誕生した物語です。物理的な資源が豊かになり、大半の商品やサービスがコモディティ(どこでも手に入る)になった現代、商品やサービスの機能ではなく、その会社が提唱している情緒的側面に惹かれてファンになる人が増えています。
たとえば、アウトドアアパレルを展開するパタゴニアは、ビジネスは経済価値を生み出す活動であるという一般通念とは正反対で、“環境保護のために事業を行う“という明確な世界観、価値観を提唱しています。その考えに賛同する人たちが多少高くてもパタゴニアの商品を買うわけです。