「シンプルな機能」による差別化
どんなカテゴリーの商品であっても、競合他社が増えたり、技術革新が進んでいければ、多機能化していきます。それはそれで差別化につながりますが、逆に、機能を減らすことで差別化を図ることもできます。“そんなに多くの機能は要らない“、“機能が多すぎて使いこなせない“という人達がいるからです。
■アップルとグーグルの戦略
この戦略で有名なのは、アップル社でしょう。使いにくい、オタクのものというイメージだったパソコンをシンプルにし、一般の人にも使えるパソコン、iMacを開発し、大ヒットしました。iPhoneもシンプルなインターフェースにすることでデザインのよさも相まってヒット商品となりました。
また、いま検索市場を独占しているグーグルも、もともとはヤフーなどのポータルサイトに対する後発組でした。グーグルはヤフーなどのようにトップページに多種多様な情報を載せるのではなく、検索機能だけに絞り、シンプルなインターフェースにしたことで成功しました。
「使いやすさ」による差別化
シンプルな機能とも連動しますが、商品の使いやすさは差別化に直結します。似たような機能を持っている商品であっても、いかに使いやすいインターフェースであるかが選ばれる要因となります。
たとえば、かつてのガラケーは、とても読み切れないほど分厚い説明書が同梱されていましたが、iPhoneに代表されるスマホでは、説明書は最小限。説明書を読むより、使ってみれば操作方法がわかるという状態になっています。
「キープロセス」による差別化
キープロセスとは、自社にとって知的資産となりうる重要な業務のことを指します。たとえば、
・トレーニングプロセス
・集客プロセス
・採用プロセス
などがあります。
■自社の強みとなる業務プロセスはどこか?
日本を代表する高収益企業のひとつキーエンスは、科学的な営業プロセスが差別化要因だとされています。 靴の通販で有名なザッポス社は、優れた企業文化が競争優位性になっているのですが、その企業文化を生み出すのは、通過率2%といわれる採用プロセスとされています。