後発グルメサイト「Retty」が「ぐるなび」「食べログ」と戦えるワケ

後発グルメサイト「Retty」が「ぐるなび」「食べログ」と戦えるワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

中小・新興企業は資金力や人材力が大手よりも劣る分、他社との「差別化」が競合に勝つカギとなります。今回は、後発グルメサイト「Retty」が「ぐるなび」や「食べログ」と戦える理由となる「差別化」戦略の事例を中心にみていきます。

 

「差別化戦略」とは?

差別化戦略とは、他社との差別化を図ることで競争優位を実現する戦略のことです。言い換えれば、競争優位性を実現するために、他社との違いを生み出す戦略といえます。 差別化(戦略)という言葉が有名になったのは、経営学者であるマイケル・ポーター氏が競争優位の戦略として、以下の3つの選択肢を提唱したことがきっかけといえます。

 

・コストリーダーシップ戦略

・差別化戦略

・集中戦略

 

差別化戦略のポイント

日常のビジネス会話でも差別化という言葉は頻繁に聞きます。差別化を考えるにあたって、大切なことは、“単に他社商品と違っていればいい“というわけではない、ということです。冒頭に申し上げたとおり、差別化戦略は、競争優位の実現につながっていなければなりません。そのためには、“違いが顧客にとって価値があるもの“であることが大切です。

 

マイケルポーターによる差別化戦略

では差別化を図るにはどうすればいいでしょうか。マイケルポーターは、以下のような方法を挙げています。

 

・ 製品による差別化

・ 原材料による差別化

・ 特許などの知的財産

・ 技術力、デザイン力

・立地による顧客のメリット

・人材力(優秀さ)

・革新的なプロセス

・ブランディング

 

中小・新興企業でも活用できる「差別化」を図る方法

マイケルポーターの方法をもう少し幅を広げ、中小・新興企業でも活用できる方法をご紹介していきます。

 

「いい立地」による差別化

特に店舗ビジネスの場合、立地がいいことがそのまま差別化につながります。だれしも、駅から20分の店よりも、駅前徒歩30秒の店に利便性を感じ、通いたいと思うはずです。そして、物理的な場所というのは排他的ですので、自社がいい場所を確保していれば、他社に取られる心配がありません。私の地元にも昔から駅前に果物屋があり、遠くのスーパーより多少高くても帰宅ついでに買っていく人が多数います。

 

■立地によって「資金」や「人材」の調達力も変わる

また、店舗ビジネスのみならず、立地が差別化につながることがあります。たとえば、シリコンバレーにはスタートアップ企業が乱立していますが、その理由は、いい人材が集めやすいから、ほかのスタートアップ企業とのネットワークが創りやすいから、エンジェル投資家やVCなどとのネットワークが創りやすいから、などです。そのため、シリコンバレーに会社があること自体が最終的な差別化につながるというわけです。

 

また、逆の例でいえば、シリコンバレーのような高い家賃で高い給与の人材を雇うのではなく、低コストでオフィスや人材が調達できるエリアで会社を運営し、コスト面での優位性を生み出す方法もあるでしょう。

 

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