「品揃え」による差別化
品揃えが多ければ、顧客はワンストップで買い物ができます。そのため、顧客からみたときに手間や時間の削減になるため、差別化、競争優位につながるといえるでしょう。ただし、品ぞろえを多くすることには注意も必要です。なんでもかんでも品ぞろえを増やしていては、在庫リスクも増えますし、運用のコストも増えます。
■品揃えを増やす際のポイント
品ぞろえを増やす場合には、お客様がこの商品を使う前後に使う商品はなにか? を考えることが大切です。たとえば、企業向けにSEO対策のコンサルティングを提供している場合、顧客は高い確率で、コンテンツマーケティングに取り組んでいます。そのため、SEO対策とセットで、ブログの運用や記事執筆を請け負うのはいい品揃えの広げ方と考えられるでしょう。
顧客はSEO対策はA社、記事執筆はB社というように複数のベンダーを探したり、管理するよりも、1社ですべて対応してくれる会社にお願いしたいと思うでしょう。
「低コスト」による差別化
これはもういうまでもないでしょう。低コストで商品を作ったり、販売できる仕組みを創るのは差別化につながります。低コストである分、利益率を高め、商品の改善に投資をしたり、商品価格を下げて顧客価値を高めることができます(マイケルポーターによれば、これはコストリーダーシップ戦略というものであり、差別化戦略とは異なるものという捉え方ですが、ここでは細かい理論は無視し、差別化の1つとして考えています)。
■売上最大化、経費最小化
京セラの稲盛さんは売上最大化、経費最小化の原則を掲げて経営してきました。その結果生まれたのが、アメーバ経営という仕組みであり、それが京セラの差別化、競争優位につながっていったことは間違いないでしょう。
「知的財産権/知的資産」による差別化
自社しか使えない特許、実用新案権、商標、著作権などの知的財産は差別化につながります。あるカテゴリーでその技術を提供できる、その名称を利用できるのが自社しかいない、となれば強力な武器になります。
また、知的財産に近い言葉として、知的資産というものもあります。これは自社独自のブランドや業務プロセス、ナレッジなどを指します。これらも自社内で可視化、文書化され、伝承されるようになっていれば差別化につながるといえます。