(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの企業が新型コロナウイルスの影響で経営に打撃を受けました。しかし、リーマンショックのときにみられたような企業の大幅な採用抑制は避けられていると、600社の企業に新卒採用などの組織変革コンサルティングを実施する株式会社Legaseedの近藤悦康代表はいいます。なぜなのでしょうか、みていきます。

 

若者世代の人口は減少トレンドへ突入

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[図表3]22歳人口の推移と大学(学部、短大含む)進学率出典: 総務省統計局「人口推計」2021年10月1 日現在より作成
学校基本調査「大学(学部)・短期大学(本科)への進学率※過年度高卒者等含む」(2020年5月)

 

そんな状況の中、将来の会社を支える若者世代の人口は、減少へと向かいます。以前から指摘されていたことですが、22歳の総人口は2021年より減少トレンドに入ります(学校基本調査より)。そして、2040年には、就職希望者数が現在の年間約45万人規模から、約30万人になることが予測されています。3割以上減少するのですから、将来、労働人口としての「若者」世代の希少価値は上昇し、採用もいっそう難しくなっていくことは明白です。

 

一方、外国人労働者や、AI・ロボットで仕事を代替させる分野も多くなっていくことでしょう。そうなると、ますます日本の若者を、どんな目的で採用するのか考えなければなりません。

コロナ禍でも新卒採用を重視する企業は増加

リーマンショックのときには、世界的に経済が冷え込み、日本経済も不況が続き、新卒採用の凍結・縮小が相次ぎました。この不況から立ち直るまでに数年かかったので、採用を縮小した企業では、景気回復後に20代中後半~30代前半の人員が不足し、業績の拡大が遅れたり、急遽、中途採用を行ったりするケースが目立ちました。

 

現在でも、リーマンショックのときに急激に採用を絞った企業では、若手の育成やプロジェクトリーダーの役割を担える中堅社員の不足に頭を痛めていると耳にします。

 

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[図表4]21年卒「入社実績数」に対する22年卒「採用予定数」出典:マイナビ2022年卒「企業採用活動調査」(2021年6月)

 

2022年卒の採用予定数は2021卒と比較して、「増やす」と回答した企業が全体で2割を超えています。「前年並み」と合わせると86.2%と採用意欲は高い傾向にあります。

 

企業が大幅な採用抑制を避けようとしているのには、2つの理由があると私は推測しています。1つ目の理由は、21年卒採用はコロナ禍での対応となり、人材獲得に苦戦した企業が多かったこと。そして2つ目の理由は、一部の年齢層が極端に少なくなって人員構成の歪みを生んだリーマンショック後の就職氷河期の反省があるからです。

 

コロナ禍を追い風に、好業績が見込まれるIT業界や、売り手市場のなかで採用に苦しんでいた中小・ベンチャー企業では、「10年ぶりにやっと来た採用のチャンス」と捉え、積極的な採用を計画するところもあります。

 

 

近藤 悦康

株式会社Legaseed

代表取締役CEO

 

 

本記事は、近藤 悦康氏の著書『99%の会社が知らない「超・デジタル採用術」オンラインでも応募者の心は「見える化」できる!』(徳間書店、2022年1月29日刊)から一部を抜粋し、再編集したものです。

99%の会社が知らない「超・デジタル採用術」 オンラインでも応募者の心は「見える化」できる!

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近藤 悦康

徳間書店

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