※画像はイメージです/PIXTA

2015年のGoogleの発表により「心理的安全性」という言葉が注目を集めるようになりました。そのようななか「心理的安全性が高い職場」をはき違えて認識している人が多いといいます。では、本当に心理的安全性が高い職場とはどのようなものなのでしょうか? みていきます。

 

心理的安全性とは?

心理的安全性とは、組織のなかで安心して過ごし、自分の意見や考えを伝えられる状態のことです。1999年に組織行動論を研究するエドモンソンが提唱した心理学用語(※)でしたが、2015年に入りGoogleが「心理的安全性」を企業に持ち出したことから、心理的安全性という言葉が重要視されるようになりました。

 

※実際アカデミアの世界で心理的安全性(Psychological Safety)が登場したのは、1965年のSheinらによる論文であったが、定義づけされたのは「Shared belief that the team is safe for interpersonal risk taking. Edmondson 1999」であった。

 

Googleが行った実験「Project Aristotle」では、チームの効果を最大まで高めるための因子を特定。数百におよぶ変数を35種類以上の統計モデルで解析した結果、「誰がチームのメンバーか」よりも「チームがどのように協力しているか」のほうが重要だということがわかったのです。

 

Googleでは心理的安全性を下記のように説明しています。

 

「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

(出典:Google re:Work

 

このほかにも

 

・相互信頼:責任の転嫁が起こりづらくなる

・構造と明確さ:OKRにより目標設定を明確にする

・仕事の意味:誰のために働くのかという個人の理念

・インパクト:組織の成長に自信の行動が寄与しているか

 

上記のような因子がよいチームを作るうえで必要になることがわかりましたが、このなかで最も貢献度が高かった因子が「心理的安全性」でした。ただし、上記の結果はあくまでもGoogleの実験結果であったことを私たちは認識しておく必要があります。

 

また、心理的安全性とは抽象度の高い概念であり、すべての企業が前にならえで同じ施策を投じても効果が出ない可能性がある。そうした事実を踏まえて、心理的安全性について考える必要があるのです。

 

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