(写真はイメージです/PIXTA)

勤務態度が悪い、協調性がない、トラブルばかり起こす……会社として更生してもらうよう努力を続けても一向に変わらない「迷惑社員」が社内にいた場合、スムーズに辞めさせることは可能なのでしょうか? Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が「退職勧奨」のスムーズな進め方とトラブルを避けるための注意点について解説します。

助成金受給企業は要注意!「自己都合退職」と異なる点

自己都合退職と会社都合退職とで、どのような違いが生じるのでしょうか?
主な違いは次のとおりです。

 

失業給付…会社都合退職のほうが「手厚い」

退職理由が会社都合か自己都合かによって、退職後に従業員が受け取る失業給付に違いが生じます※。
※2 厚生労働省:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

 

失業給付とは、失業期間中に雇用保険から支給される手当のことです。会社都合退職の場合、失業給付は受給手続日後7日間の待機期間を経た翌日分から支給されます。

 

一方、自己都合退職の場合には、そこからさらに原則として2ヵ月間の給付制限期間を過ぎてからでなければ、給付を受けることができません。

 

また、支給を受けられる日数(受給者の年齢や雇用保険の被保険者であった期間などによって変動)も会社都合退職の方が長く、全体的に手厚くなっています。

 

退職金…会社の規定により違いがある

会社によっては、自己都合退職の場合と会社都合退職の場合とで、退職金の支給額に差をつけている場合があります。これは、会社が定めている退職金規程によるものですので、あらかじめ規程を確認しておくとよいでしょう。

 

助成金…「会社都合」の退職者を出した場合受給できなくなるケースも

助成金とは、一定の条件を満たして申請することによって、国や地方公共団体などから企業などへ返済不要な資金が支給される制度です。助成金にはさまざまなものが存在しますが、多くが人材雇用や人材育成に関するものであり、主に厚生労働省が所轄しています。

 

助成金のなかには、会社都合の退職者を出した場合には受給要件が満たせなくなるものが少なくありません。

 

そのため、助成金を受けている企業が退職勧奨を検討する際には、あらかじめ助成金の要件を確認しておく必要があるでしょう。

 

次ページ退職勧奨をスムーズに進める「4つ」のプロセス

本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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