(※写真はイメージです/PIXTA)

事前に特定の情報を何度も見たり聞いたり、またその情報について考えたり、想像したりすることが後になってからの記憶や情報選択に有効に作用します。そしてその情報に対する記憶の定着も自動的に促進するという効果があるということです。記憶力日本選手権大会6回の最多優勝者の池田義博氏が著書『世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

暗記でも重要な「予習」と「復習」

●プライミング①関連情報のインプット

 

情報のインプットには、もちろん関連書籍や資料にあたるという手もありますが、現代において情報収集といえば、まず思い当たるのは、やはりインターネットです。今では、インターネット上に膨大な情報がアップされています。ある事柄についてのまとめや、本の内容を要約しているサイトがたくさん存在しています。

 

インターネット以外でも、すでにその情報をよく知っている人から直接ヒアリングすることも有効だと思います。また、本などの場合は、その著者のプロフィールや経歴、携わってきた分野などの下調べをしておき、著者目線で読んでいくことも、理解を早めたり深めたりすることにつながります。

 

●プライミング②情報の加工

 

プライミングの意味では、①のインプットだけでもかなり有効ですが、さらに、自分なりにインプットした情報を揉んでおくと、一段とレベルの高い、内容を最高に搾り取るリーディングを可能にします。

 

インプットした情報を揉むとは、情報からさまざまな連想を広げておくという作業です。それにより、頭の中に読む対象への思考のフレームを作っておけます。

 

ただし、あくまでもプライミングのための作業なので、それ程時間をかける必要はありません。一番簡単なのは、紙に丸で囲んだキーワードをランダムにずらずらと書き出していくことです。出し切ったら、今度はそれらを眺め、共通項があるキーワード同士をまとめます。そして、そのグループをまとめて表すことができる見出しを付けるということをします。

 

下図は、習慣化に関する書籍を読もうとしたときの例です。これだけですが、この作業には抽象化思考の要素が含まれているのです。作業をすることで、自動的に思考のフレームを形作ることができるというわけです。

 

出典:池田義博著『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より。
出典:池田義博著『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より。

 

●プライミング③目的の明確化

 

そして、最後に一番重要なのは、これから読む対象への目的を明確化するということです。これは単に、頭の中で一度考えるだけではいけません。その記憶はすぐに消えてしまうからです。

そこで、目的を紙に書いて、目に入るところに置いておくことをお勧めします。これがあると、途中で迷子になってしまうことを防げるからです。

 

池田 義博
記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
世界記憶力グランドマスター

 

 

↓コチラも読まれています 

ハーバード大学が運用で大成功!「オルタナティブ投資」は何が凄いのか

富裕層向け「J-ARC」新築RC造マンションが高い資産価値を維持する理由

 業績絶好調のジャルコのJ.LENDINGに富裕層が注目する理由 

コロナ禍で急拡大!トラックリース投資に経営者が注目する理由

  「給料」が高い企業300社ランキング…コロナ禍でも伸びた会社、沈んだ会社

本連載は池田義博氏の著書『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

池田 義博

日本能率協会マネジメントセンター

在宅勤務など個人単位で働く機会が増え、従来よりも個人の成果に焦点があてられ、成果物の質を決める「思考力」が要求されています。まずは頭の中の知識・情報の量を増やし、これらを有機的に結び付け、価値のあるアイデアを生…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録