「サバイバル効果」予習と復習で忘れなくなる記憶のテクニック (※写真はイメージです/PIXTA)

事前に特定の情報を何度も見たり聞いたり、またその情報について考えたり、想像したりすることが後になってからの記憶や情報選択に有効に作用します。そしてその情報に対する記憶の定着も自動的に促進するという効果があるということです。記憶力日本選手権大会6回の最多優勝者の池田義博氏が著書『世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

常にイメージ化を意識する

今回は皆さんが学習や仕事などで直面するさまざまな状況において、知っておくとやりとげるための武器となる記憶の方法、または、上手な脳の使い方について紹介していきます。当然ながら、場面や状況ごとに具体的なやり方は違ってきます。しかし、全体を通して流れているテーマともいえる方法の基盤はイメージです。

 

イメージの重要性ついては、何度か紹介しましたので、ここでは詳しい説明は省きます。しかし、基本的に記憶を含め、脳の力を使って行われる作業はすべてイメージによる思考を意識していただきたいのです。

 

イメージとは映像だけではありません。頭の中に浮かべることができるものは、すべてイメージです。常に映像をはじめとした感覚、感想、印象、概念などのイメージ化を意識してください。

 

例えば、小説を読んでいるとしましょう。頭の中にありありと映像が浮かぶ箇所も出てくることでしょうが、ほかの箇所では映像が浮かばないこともあるでしょう。

 

だからといって、それは内容が理解できなかったわけではありません。はっきりとした映像にはならないけれど、すでに頭の中にある思考の枠組みに照らし合わせて生じた形のないイメージを読み取ることができるからこそ、理解ができたというわけです。

 

イメージ化は、スキルアップのツールでもありますが、このツールを意識して使い続けてください。そして、使いこなせるようになると、いつの間にか基礎体力としての「脳力」も向上していることに気付くはずです。その脳力とは、記憶能力、想像力、集中力、頭の回転の速さ、作業効率、閃き、メンタルコントロールのことです。

 

これから紹介するメソッドは、実用的なツールという意味に加えて脳のトレーニングツールであるともいえます。そのことをいつも頭の隅に置いて、自分の置かれている場面・状況にあたってください。意識しているかしていないかが、将来的に大きな実力差を生みます。もし皆さんが意識的にイメージ思考を続けたならば、皆さんの脳力のステージは飛躍的に向上していくことでしょう。

「サバイバル効果」で記憶を定着させる

(1)プライマーリーディング

 

ビジネスにおいては、資料などドキュメントを読み込まなければならない場面は多々あると思います。そこから情報収集して今の業務に活かすにせよ、何か新しいアイデアを創り出すにせよ、リーディング能力というのは強力な武器です。

 

実は、すでに世の中に紹介されている読書術や速読術の多くの原理というものは、これから紹介する考え方に集約されるといっても過言ではありません。

 

「プライミング効果」という心理学的効果をご存知でしょうか。事前に体験・経験したこと=刺激を「プライマー」といいますが、そのプライマーがその後、思考や行動に対して無意識のうちに影響を及ぼすという効果です。

 

このプライミング効果は、事前の経験がその後の行動だけではなく、認知機能にも影響を与えるということがわかっています。その効果は、ある実験結果から「サバイバル効果」とよばれています。

 

実験参加者のうちあるグループには、始めに例えば、無人島などに1人取り残されたというようなサバイバルが必要な状況を想像してもらいます。その状況に自分がいるというイメージングをしてもらったあと、すべての実験参加者に複数の単語を見てもらいます。

 

それらはランダムに選ばれた「トラック」「ジュース」「銀」「ドア」などの単語で、次々に表示されます。そして、すべての実験参加者に、出てくる単語に対して、それらがサバイバルをするときに役立つかどうかを判断することを求めます。

 

その後時間をおいて、単語をいくつ覚えているかという記憶のテストを行ったところ、サバイバル状況に置かれていると想像した実験参加者たちのほうが、何も行わなかった実験参加者に比べ、記憶している単語の数が多いという結果になったのです。

 

目にした情報が、事前に意識に入っている知識と少しでも関連したものであった場合、脳はその情報を際立たせるため速く読むことを可能にし、また、記憶の定着も自動的に促進するということなのです。

 

世にある多くの読書術や速読術なども、この効果を利用しているというわけです。事前のインプットが脳にとっての探知機となり、必要な情報を優先的にピックアップしてくれるというしくみを使っているということです。

 

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    記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
    世界記憶力グランドマスター

    一般社団法人記憶工学研究所 代表理事/所長、世界記憶力グランドマスター、ライフキネティック日本支部 アンバサダー、アクティブ・ブレイン協会 テクニカルディレクター。
    記憶法との出会いをきっかけに記憶という能力に興味を持つ。独自に研究、トレーニングの末、初出場にもかかわらず2013年の記憶力日本選手権大会にて初優勝。その後、2019年まで出場した6大会にてすべて優勝。また、2013年にロンドンで開催された世界記憶力選手権において日本人初の「世界記憶力グランドマスター」の称号を獲得。現在は記憶能力も含め、多くの人の「脳力」向上に貢献することを自身のミッションとして活動中。テレビ・ラジオの出演および著書多数。
    一般社団法人記憶工学研究所
    https://mei.or.jp/
    池田義博オフィシャルサイト
    https://ikedayoshihiro.com/

    著者紹介

    連載誰にでも簡単にできる「記憶能力アップ」法

    本連載は池田義博氏の著書『世界記憶力選手権グランドマスターの 驚くほど簡単な記憶法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

    世界記憶力選手権グランドマスターの驚くほど簡単な記憶法

    池田 義博

    日本能率協会マネジメントセンター

    在宅勤務など個人単位で働く機会が増え、従来よりも個人の成果に焦点があてられ、成果物の質を決める「思考力」が要求されています。まずは頭の中の知識・情報の量を増やし、これらを有機的に結び付け、価値のあるアイデアを生…

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