(※写真はイメージです/PIXTA)

五大商社に勤務後、公益財団法人日本サッカー協会へ転職、様々な交渉の場を経験してきた松永隆氏の著書『ビジネスパーソンのための超実践的交渉術 ⽇本⼈の交渉のやり⽅』より一部を抜粋・再編集し、「交渉前の情報収集」についてみていきます。

情報収集の手順

交渉前準備の大部分は収集した情報がベースとなります。また収集した情報の厚みと精度が勝敗の分かれ目になります。そこで具体的にどのように情報を収集したらいいかですが、おおよその手順があるものです。意識しなくてもできている人も沢山いると思いますが、簡単におさらいの意味で触れておきたいと思います。

 

(1)ネットで情報収集

 

(2)過去事例を振り返り検証

 

※(3)でヒアリングすべき人の選定、質問すべき事項も同時に考える。

 

 

(3)情報、経験を持っていそうな人にヒアリング。なるべく複数人に聞く。

 

(1)→(2)→(3)と進むに従い情報の厚みと精度が増していきますが、(1)(2)は基礎データの収集みたいなもので、本当の生きた役に立つ情報は(3)の人に聞くことによって得られるものです。

 

(1)(2)は(3)を効果的に行うための準備として行うといえばわかりやすいのではないでしょうか。つまり基礎データを収集して理解に努め、もう一歩進んで(3)でヒアリングする人を思い浮かべて選ぶ作業もすることになります。さらに一歩進めて(3)でどのような質問をぶつけるのがいいか考えなくてはなりません。

 

(3)においてはヒアリングした人に多くのことを話してもらわなくてはいけないので徹底的に聞き上手になる必要があります。的確な質問を繰り出し、相槌をうち、時には感嘆し、気持ちよく話してもらうよう心掛けましょう。

 

さて一人目のヒアリングを終えた時点であなたはその件に関してはそれなりの知識を持った人になっているはずです。ただそこで満足してはいけません。次のターゲットへのヒアリングにかからなくてはなりませんが、今度は一人目で得た知識により、より深く聞いた方がいいポイントが浮かび上がってくるはずです。それを集中的に聞いてみましょう。

 

恐らく二人目のターゲットの方はあなたの話しぶり、質問ぶりから、これはかなりのレベルの知識のある人が聞いてきているなと感じるはずです。すると、よりきちんとした返事をしようとするはずです。ここまで来れば十分かもしれません。ただ、まだ時間が許すのであればもう一人別の角度から話してくれそうな人にヒアリングしてみましょう。

 

直属上司への報連相を兼ねてやってみるのも手です。上司の場合は、「私は当該案件についてこう対処すべきだと思うのですが、XXさんのご意見をお聞かせ下さい」という聞き方をするのがいいでしょう。

次ページ常日頃から心掛けておくべきこと

※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ビジネスパーソンのための超実践的交渉術 ⽇本⼈の交渉のやり⽅』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧