(※写真はイメージです/PIXTA)

佐藤良久/松村茉里/竹内宏明/森田努/川端ゆかり/高田江身子/杉森真哉/黒川玲子/中村剛/山田隆之氏の共著『そうだったのか! 相続のトリセツ』より一部を抜粋・再編集し、近年の相続をとりまく環境についてみていきます。

「1年で鳥取県が消えてしまう」ほど人口が減っている

総人口の減少が続く日本令和3(2021)年8月4日、総務省が住民基本台帳に基づく2021年1月1日時点の人口動態調査による人口を発表いたしました。

 

その内容によると、日本人住民の人口は、1億2384万2701人。自然増減者数(出生者数−死亡者数)は△53万608人となり、自然減少数は13年連続で拡大し、調査開始(昭和54年)以降最大となりました。鳥取県の人口が55万2046人ですから、1年で鳥取県が消えてしまうほどの人口が減っていると考えると減少が加速している状況が分かりやすいのではないでしょうか。

 

(※「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和3年1月1日現在)」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2108m.html

 

日本人の15歳〜64歳の生産年齢人口が全体に占める割合は3年連続で6割を切り、過去最低の59.3%に下がりました。高齢化に拍車がかかっているといえるでしょう。

 

日本は、1974年に出生率が2.05と人口置換水準である2.07を下回り、その後も出生率の低下傾向が続いています。生まれる子供の数が減り続けたため、全人口の年齢構成が変化することとなり、0歳~14歳の年少人口の割合は徐々に減少し、65歳以上の高齢者層の割合が増加してきました。

 

その結果、1990年代半ばには、15歳~65歳の生産年齢人口が減少に転じ、2008年からは総人口が減少することとなりました。

 

(※https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_1.html)

 

厚生労働省の発表によると、2020年の1月~10月の妊娠届の件数が前年同期に比べて5.1%減少しました。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、感染や将来の不安から妊娠を控える人が増えたとみられています。今後現状が続けばさらに出生率の減少の加速が懸念されます。

世界に先駆け高齢者が増えている

令和元年版高齢社会白書によると、65歳以上の高齢者の人口は、3558万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は28.1%となりました。また、65歳〜74歳人口は1760万人となり総人口に占める割合は13.9%、75歳以上人口は1798万人となり、総人口に占める割合は14.2%で65歳〜74歳人口を上回っています。

 

65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。令和47(2065)年には、約2.6人に一人が65歳以上、そして約3.9人に1人が75 歳以上という「超高齢社会」を超えた未曽有の事態が日本を待ち受けています。

 

この統計から、私たちが住んでいる日本で間違いなく高齢化が進んでいてその流れは止まらないことが分かります([図表1])。

 

[図表1]日本の人口動態
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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『そうだったのか! 相続のトリセツ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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