デジタル化で効率化を図ることでの「本質的な効果」
今回のロボット点呼導入では、図表のようなしくみをつくり運行管理者のサポート体制を構築しました。
・ アルコールチェック:チェッカーを使って計測し、データを集約
・ 免許証チェック:ICカードリーダーでの読み込み
・ データの確認:ロボットが収集データと乗務員データを確認
・ 指示伝達事項:ロボットがドライバーに直接連絡
・ 鍵の受け渡し:ロボットがキーボックスを施錠/解錠
・ 点呼記録:ロボットが運行管理者にチェック内容を送信
デジタル化で最も効率化が見込めるのが、このような定型化された業務でしょう。定型化されない業務(人のスキルに頼る比率が高い業務)は、再現のための条件が多岐にわたるためデジタル化でかなり苦戦します。対照的に定型化された業務はパターンが少ないので覚えやすく、ロボットなどの活用が進んでいる分野です。ロボットにより業務の効率化が図れることもそうですが、本質的には次の効果があります。
1. ITが苦手な人でも導入しやすい
ロボットとのコミュニケーションがあるため業務を大幅に変える必要がなく、パソコンが苦手な人でも抵抗が少ない
2. 人がやるべきことに集中できる
作業を均質化できることで業務への安心感も高まる。定型的な業務をロボットに任せると、そのぶんの時間を有効活用できる
このように定型的な業務をロボットに代行してもらうだけで、会社全体の業務の効率化を図れます。法令義務がある業務にもDXの世界が広がっているため、効率化できそうな部分に、つねにアンテナを張っておくことも大切です。
日淺 光博
DXコンサルタント
株式会社日淺 代表取締役社長