子どもの教育にロボットを導入してみたい
小学生向け学習塾
〈DX後の成果〉
ロボット活用で塾講師の採用と教育コストを年間1,000万円以上削減
DX遂行プロジェクトまでの企業内立場別の視点
■経営者の視点
コロナ禍によって学習塾の多くはかなりの打撃を受けました。子どもたちを塾に集めて感染を拡大させたら、という心配があり、以前のように教室を満員にした授業が難しくなったからです。子どもたちの一年は大人が思う以上に早く、学習の遅れを出すわけにはいきません。外部環境に左右されないようにオンライン授業の導入を決意しました。
■DX推進担当の視点
オンライン授業は対面ではないぶん集中してくれない子がいたり、オンラインという環境に慣れない子もいたりしました。そこで経営者から「安全を確保しながら教えられる方法は、ほかにないのか」と言われ、以前から気になっていた学習支援ロボットの存在を思い出しました。それを提案すると「うちでも活用できるか話を進めてみてください」とのことで、教室でも導入を進めることにしました。
■現場の社員の視点
ロボットについてくわしく調べてみると、小学校低学年向けの算数や英語の授業に効果的とわかりました。実際にロボットを提供する業者と話をして、1台お試しで導入し子どもとの対面授業を実施。楽しく学習している様子を見て、本格的な導入を決めました。
“DXコンサルタント”日淺氏によるプロジェクト評価
※プロジェクトの対応を☆により評価
【経営者・経営幹部の対応】★★★
環境に左右されない学習環境を提供するのは素晴らしいビジョンです。経営者に必要なビジョンの提示がバッチリできています。
【DX推進担当の対応】★★★
現場運営をしながら推進するのは大変ですが、オンライン化に取り組んだ際の難しさを考えてロボット導入を検討したことは評価できるポイントです。はじめから自社の課題に完璧な解決方法が見つかればいいですが、なかなかそうはいかないため、一つ試してよい点は継続し、悪い点は違う施策に代替していく柔軟な姿勢は評価できます。DXプロジェクトのほとんどのサービスは「小さくお試しで始めてみる」ことが可能です。まずは試してみて、合わなければ次のものを試すという姿勢で改善を重ねていくのが推進担当の望ましい姿です。
【現場の社員の対応】★★★
情報収集も兼ねて試験導入をし、すぐに特に強みとなる低学年向けで部分導入してみたのは評価できる点です。最初から全体での導入を考えると、どうしても止まってしまうことがあるので、小さく始めたのは素晴らしい導入の仕方でした。