乗車前点呼をロボットにサポートさせる
運輸業
〈DX後の成果〉
ドライバー1人あたりの点呼時間5~10分が3分に短縮
DX遂行プロジェクトまでの企業内立場別の視点
■経営者の視点
ドライバーを抱える企業はドライバーの乗車前に点呼業務をすることが法律で義務づけられており、数十人を抱える我が社も当然それを遵守しています。ドライバーになりたいという人は減っていますが、社会のインフラとして必要な業界です。「より安全に、より安心していただける会社」となるために、デジタルを使って働きやすい環境を整えていく責務があると思っています。
■DX推進担当の視点
点呼業務は、本人確認、アルコールチェック、免許証チェック、健康管理、指示伝達事項などを経て、ようやく鍵の受け渡しをします。これを毎日、数十人のドライバーに実施するのが当たり前と思っていましたが、1歩引いて考えると業務の負荷が高く神経もすり減る仕事でした。
トラックやバスの事故のニュースを目にするたびに、痛ましさを感じるとともに、 業務責任を問われる会社のことも考えてしまいます。運行管理業務は、点呼業務のほかドライバーの労働時間管理や安全指導も行っています。この業務ばかりは、人がやるしかないと考えていました。
そんなときに社長から「ロボットが点呼業務をしてくれるらしい」という情報が。私ははじめ何のことかさっぱりわかりませんでしたが、社長命令なので、このロボットの会社にアポイントを取りました。あくまで話を聞いてみてですが「仕事が楽になるならいいかな」と思っています。
■現場の社員の視点
何十人もいるドライバーへの点呼業務は「慣れ」が生じやすいですが、万が一のことを起こさないためにも重要です。だからこそ人の手が必須と思っていたので「ロボットを導入する」といわれてもピンと来ませんでした。
正直、私たちの業務に取って代わることなどないと思っていたので、実際にロボットが点呼業務を始めたときには、とまどうと同時に新しく変化した業務についていくのでやっとでした。