ビジネス交渉「コミュニケーションツールの使い分け」
現在のようにコミュニケーションツールが発達すると、どのツールを使って交渉の場を設定するのかが重要なファクターになってきます。直接会って交渉する場合(対面)は、相手の表情、目の動き、息遣い、言葉のトーンなどを目の当たりにしながら話ができますので、当たり前ですが最も情報量が多く交渉の場の設定の王道と言えなくもありません。
従来はその他の手段として電話、メール、SNSなどを活用して来ましたが、コロナ禍により急速にWEB会議が普及しました。
さて、以前より部下がいろいろな交渉を行うのを観察していて、必ずしも的確なツールを選択していないことに気づき、その場でアドバイスしてきました。決して軽視してはならないファクターなのです。
SNSについて
数年前より注目し始めたのはWhatsApp、LINEなどのSNSです。アジアの国々全体で言えば圧倒的にWhatsAppを使う人が多いのです。
さてこのSNSによるコミュニケーションの利点はアクセススピードです。ご存じのようにメッセージが届けばスマホで音が鳴る、あるいはメッセージがポップアップするように設定しているビジネスパーソンが多いのです。
数年前より顕著なのはメールを送信しても数日間見てくれない相手がWhatsAppだと数分、早い人だと数秒で返信してくれることです。急いでいる時は電話をかけるか、WhatsAppかということになりますが、電話は相手が会議中、来客中だと失礼になることもあるので、簡単な要件であればWhatsAppでアクセスすることが圧倒的に多くなっています。
最近はドキュメント、画像も貼り付けられるのでどんどん用途が広がっています。会議中の相手でも「今会議中、後で電話するね」と返信してくれるので助かります。数千キロ離れた相手でも数分内に読んでもらえる安心感は何事にも代え難いと思います。
但し、あまり込み入った話はできないのと、メッセージはなるべく短めにしなければなりません。
このSNSによるビジネスのやり取りが普及したことによって、対海外ではメールの使用率がかなり減ったというのが実感です。中にはSNSは四六時中チェックしているが、Eメールは数日間見ていない人も結構増えてきています。
未だに「メールは出したのですがまだ返事が来ません」と言っている部下には「なんでWhatsAppにしないの?」「早く電話したら?」と厳しく指摘せざるを得ません。交渉の臨場感から得られる情報という意味ではSNSは期待薄ですが、利便性の方は日々向上しています。
特にSNSの圧倒的な優位性はスピードにあります。軽めの交渉はSNSでぱっとすませてしまうのがあるべき姿だと思います。