(画像はイメージです/PIXTA)

TwitterやInstagramなど、今は誰でも気軽にSNS上から情報発信ができる時代です。しかしその気軽さ故に、悪口や批判を投稿する、プライバシー情報を流出させるなどの誹謗中傷トラブルが後を絶ちません。では、もし実際にそのような誹謗中傷の被害に遭ったら、どう対応すべきなのでしょうか。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、SNSの誹謗中傷被害について山本麻白弁護士に解説していただきました。

Twitterで誹謗中傷を受け、開示請求をしたい

相談者は、過去にTwitterで誹謗中傷を受けた件について、刑事告訴や損害賠償請求を検討しています。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の4点について相談しました。

 

  1. プロバイダに開示請求を行う際、すでにプロバイダ側でログが削除されている場合、発信者情報開示はできないのか。またもし失敗に終わった場合、開示請求にかかったお金は戻ってくるのか
  2. 裁判によりプロバイダ側に発信者情報の開示命令が下った後にプロバイダ側でログが削除された場合、開示する情報がないという状況になるのか
  3. 発信者情報がプロバイダ側で削除されている場合、犯人の特定はできるのか
  4. Twitterに対しての発信者情報開示請求による犯人の特定が難しい場合、他の手段は存在するか

プロバイダのログが消えると開示はできなくなる

プロバイダ側のログ保存期間を過ぎてしまったりしてログが削除されてしまった場合には、物理的にも法的にも、削除されたログの開示を求めることはできなくなります。

 

開示請求に掛かったお金(弁護士に支払ったお金)が戻ってくるか否かは、その弁護士との取り決めにもよりますが、開示が結果的に失敗したとしても、弁護士に支払った「着手金」は戻ってこないことが多いのではないかと思われます。

 

また、開示命令が下った後にプロバイダ側でログが削除されるというのは、あまり考えられないケースですが、ログが削除されてしまったのであれば、物理的に開示はできないことになります。通常、裁判による開示請求を行う前に、ログ消去禁止仮処分申立等を行い、ログを保全します。

 

IPアドレスに関するログは、保存期間が短い場合が多く、手続きの途中でログ保存期間を過ぎてしまい、開示ができなくなるケースが想定されます。しかし、仮にIPアドレスに関するログが削除されていたとしても、Twitterであれば、電話番号の登録がなされている場合がありますので、この電話番号を開示させる訴えを提起し、開示された電話番号について弁護士会照会を行うことで、投稿者が特定できることもあります。

 

また、加害者が誰であるか、見当が付いている場合には、その人に直接アプローチを仕掛ける方法も考えられます。

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