スマホ1台ですべての営業活動を行えるようにしたい
〈業界〉
医療・医薬品メーカー
〈DX後の成果〉
前年比140%の売上達成! 残業代も2割カット
DX遂行プロジェクトまでの企業内立場別の視点
■経営者・経営幹部の視点
全国に支社があり数百名の営業部員を抱える当社の営業先は、大型病院、個人病院、歯科医院、動物病院などの医療系全般で大小10万を超えます。日報や見積りなどの営業活動はデータベースで管理していましたが、パソコンがないと入力できず、外回り営業との相性はよくないシステムでした。
結局、入力業務は営業部員が夕方以降行うことになり、必然的に業務時間も長くなります。昨今の働き方改革に即していないため、抜本的な改善が必要でした。
■DX推進担当の視点
残業時間の削減、有給休暇の管理・取得、見積書や契約書、日報の電子化による作業工数削減などの実現を目指すことになり、会社から支給されたスマホ1台で営業活動が完結するしくみを考えました。従来のシステムを一新するので大きな決断でしたし、全国の営業所で導入するため大規模な変革です。経営会議でも了承を得て、1年後の入れ替えを約束しました。予算組みをして開発パートナーも見つけたので、開発フェーズに移行します。
■現場責任者の視点
DX推進担当である私が、開発現場の責任者も兼務することになりました。以前からつき合いのある開発会社を選定。選抜した現場の営業所長にも協力を仰ぎ、推進チームのメンバーと手分けして営業現場でのヒアリングや課題洗い出しをしました。それを開発パートナーと共有し、実現方法の提案を受けます。
今回はスマホアプリの開発というまったく新しい経験だったため、社内での報告に合わせて都度、確認事項が多くなるなど、ギリギリのスケジュールで開発を進めることに。開発が一段落し、実際に現場の営業に使ってもらう並行稼動時になってから、使い勝手の不備や予期せぬバグも見つかりました。対応は無事に済んだものの、反省も残ります。