ハンセン指数 16,832.36 pt (▲2.23%)
中国本土株指数 5,729.58 pt (▲2.57%)
レッドチップ指数 3,328.04 pt (▲0.48%)
売買代金912億1百万HK$(前日951億1万HK$)
米国ナスダック総合指数は約2年2ヵ月ぶりの安値水準へ
週明けの米国市場は4日続落し、リスクオフの流れが続いた。今回の利上げ局面での短期金利の最高水準(ターミナルレート)は来年前半で5.00%にまで達するという見方もあるが、米FRBがハト派政策に転換するにはインフレ率が低下する確証が必要になるとして、政策の方向転換までには時間がかかるとの見方が、株式相場の重しになっている部分もある。
昨夜は、米バイデン政権が、半導体関連製品の中国への輸出規制を強化する措置を発表した。これを受けて、ハイテクセクターは値幅を伴って下げ、ナスダック総合指数は年初来安値を更新し、約2年2ヵ月ぶりの安値水準に下げた。フィラデルフィア半導体指数は前日比3.45%安となった。
金融市場の注目は13日に公表予定の米国消費者物価指数(9月)に集中している。それまで、敢えてリスクを取ろうとはしないため、株式市場では薄商いのなかを悪材料に、過剰に反応しているようにみえる。
香港市場はハイテク株が大幅下落。主要銘柄も全面安に
米株安の流れを受け継いで、香港市場も下値を試す展開だった。11日、ハンセン指数は終日、断続的に小刻みに下げて4日続落、サポートラインの17,000ポイントも割りこんだ。終値ベースでは11年10月4日以来、11年ぶりの安値を再び更新した。
ナスダックの反応と同様に、ハンセンテック指数の下げ幅も大きかった。前日比3.55%安と4営業日で計11.5%下げた。同指数は連日、指数設定以来の最安値を更新しており、下値不安が強まっている。
構成30銘柄は全面安となり、人工知能のセンスタイム(0200)は11.3%安、動画配信のビリビリ(9626)は9.3%安、フードデリバリーの美団(3690)は6.1%、インターネット検索の百度(9888)は5.7%安だった。
その他、幅広い銘柄に売りが波及して、不動産や金融セクター、カジノ関連、旅行関連などインバウンド期待で買われていた銘柄も売られた。主要銘柄も全面安で、Eコマースの京東集団(9618)は5.0%安、テンセント(0700),アリババ(9988)はそろって3.4%安だった。
中国本土市場は上海総合指数は前日比0.19%高の2,979.79、5日ぶりに反発した。CSI300指数は0.18%高の3,727.69で引けた。香港株と比較し、堅調な動きとなり発電・電力株が買われた。
中国では国慶節の連休を終えたところ、新型コロナの感染者が拡大したことから、三たび行動制限が打ち出されるとの懸念が高まっている。
中国共産党機関紙の人民日報が11日の論説で伝えた内容によると、「中国のゼロコロナ政策は持続可能であり、経済を安定化させ国民の生活を守る上で鍵を握る同政策を中国は堅持しなければならない」と伝えたことにも市場はネガティブに反応した。
16日の共産党大会を前に、上海をはじめとする大都市で、大規模な検査が実施されるとの報道も入ってきた。厳格なコロナ規制の導入は、党大会開催期間前後の一時的なものとの観測は根強いが、大規模な制限の緩和までには時間がかかることを警戒する声は強い。中国経済の先行き不透明感は来週の党大会で拭えるだろうか?
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>