相手の立場に立って心から共感する
▶ファンになってもらってYESを引き出すムービートーク
トーク実例:和田ならこう話します
和田 「そうですよね、わかります。確かに、毎月のことですし、負担が大きいかもしれませんよね。悩みますよね」
お客さま 「そうなんです、月に10万円ですと、続けられるかどうか不安で……」
和田 「わかります、もったいないですがここは無理しないほうがいいかもしれませんね、ご家族も心配されましたか?」
お客さま 「はい、そうなんです」
和田 「あ、そうでしたか。確かに会社でも積み立てをされているということでしたから心配されますよね」
お客さま 「はい……すみません」
和田 「いいえ、何よりも△△さまが、わくわくして投資を楽しんでくださることが一番大切ですから、まったく気にしないでください。(しばらくして)ただ……、以前はすごくわくわくされていたので、ちょっと惜しい気持ちもありますよね、タイミング的には今がベストだったし、何よりも△△さまがそれをわかっていらしたので」
お客さま 「そうなんですよね」
和田 「う〜ん、どうしましょう。悩ましいですね。とにかく最優先したいのは△△さまが何より気分よく、わくわくされることなんです」
お客さま 「……はい、ありがとうございます」
和田 「とにかく、今はベストな方法を探しましょう。この間、お見せしたシミュレーションですけど、今お手元に資料ありますか?」
お客さま 「はい、あります」
和田 「①では、もう一度ご覧になってください。1年後の可能性、2年後の可能性……可能性だけ見ると大きいですね」
お客さま 「はい、投資ってこれが面白いんですよね」
和田 「一番のメリットをもう一度説明しますと、複利でこれだけ増えていきますので、銀行金利がまったく増えない状態から考えますと、こちらは現在、市場が安定しているアメリカ株に……(中略)。やっぱり、これは一番利益が出そうですね。△△さまはやはり投資で利益を出したいですか?」
お客さま 「はい、もちろんです」
和田 「ですよね。実は前回ひと月に10万円と申し上げたのは、これぐらい預けてあるとリターンが大きくなるからです。将来的にお金が増えたほうがいいと思われているということでしたので、こちらの商品ならと思ったんです」
お客さま 「確かに……」
和田 「お決めになるのは△△さまですから、やめるのももちろんありです。でも、ちょっとでも一緒に幸せな船に乗って楽しみたいということであれば……」
お客さま 「そうですよね。やっぱり」
和田 「たとえば月々の投資を5万円に下げるという選択肢もありますが、5万円でもきついですか?」
お客さま 「いや……そうでもないです」
和田 「そうですか。(嬉しそうに)でしたら、今回は5万円でやってみますか?」
お客さま 「そうですね。でも、5万円頑張れるなら10万円でも大丈夫かも……」
和田 「え、それは無理しないでください。無理のない範囲じゃないとダメです」
お客さま 「え?」
和田 「②私、この投資が△△さんの幸せにつながって欲しいので無理は嫌なんです」
お客さま 「ありがとうございます」
和田 「では、これでいきましょう!」
■[解説]
相手の立場に立って心から共感すると、こんなふうにお客さまのほうから「だったら頑張れるかも」と、考え直してくださる場合があります。
これは投資商品の話ですし、100%損はしないと言えるわけではありません。
ただし、投資をしないと複利は増えないという事実、銀行に預けていてもお金が増えないという事実、お給料が劇的に上がらないという事実、長生きリスクによる老後貯蓄を増やしておきたいという願望、などの要素を踏まえた上で(この場合お勧めしていたのはドル建ての投資信託)、あくまでも可能性との駆け引きで勧めるというトークを選んでいます。
私自身は売りたいという気持ちで勧めたくはありません。
②私、この投資が△△さんの幸せにつながって欲しいので無理は嫌なんです
とにかく悩んでいるお客さまの不安を取り除いてもらえるよう一度リセットしてNOもすべて受け入れて相手の立場になって本気で共感します。私も同じ立場なら「そうだよな。毎月こんなに投資や貯蓄に回したら人生楽しめない、でも老後のためにお金は膨らませておきたいというご希望があるのもとてもわかる……」と。
①ではもう一度ご覧になってください。1年後の可能性、2年後の可能性……可能性だけ見ると大きいですね
それから、お申し込みの時にご覧になった資料などを見ていただき、もう一度わくわくした感情に戻ってもらいました。それでも不安がありそうならば勧めません。でもファンになってくださっていれば、お客さまは次回お申し込みになる可能性が高いからです。
和田 裕美
作家、株式会社HIROWA代表取締役
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