(※写真はイメージです/PIXTA)

お客さまの心に記憶されるのは商品の内容ではなく、営業の印象。何を説明されたかは忘れてしまっても、どう説明してくれて、どうフォローしてくれたかは心に残ります。コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏と世界142カ国の社員中2位の営業成績を挙げ、成約率98%を記録した和田裕美氏が著書『ファンに愛され、売れ続ける秘訣』(かんき出版)で解説します。

一期一会という出会いに感謝する

■断ったお客さまは明日の「YES」

 

私は何かを勧めてもらったとき、洋服でも浄水器でもサプリメントでもストレートに「いりません」と断ることが苦手です。

 

ついつい、まあいいかと購入してしまうこともあるし、本当に欲しくないものや、あきらかに予算オーバーのものに関しては、なるべく勧めてもらわないように話を逸らしてしまいます。

 

サクッと断れる人に言わせると「なんと優柔不断なやつ」となるわけですが、一生懸命に説明されていたりすると、申し訳ない気持ちになります。そして、がっかりされる顔を見るのも嫌なのです。

 

その気持ちを目の前のお客さまに投影したら、なんとなく相手の気持ちも受け取ることができるはずです。私と似ている多くの人の「あれだけ説明されたのに、なんか断っちゃって申し訳ないな」という心の声が聞こえてくるのです。

 

そして、「いや今はいいです、すみません」と謝りながら断ったとしても罪悪感を持ってしまう。

 

また、断るのも嫌なので、足が遠のいてしまうことになります。営業サイドとして今後は可能性があるかもしれない、未来のお客さまなのに、もう会えなくなってしまうわけです。いえ、たとえ、買うことがなかったとしても、これで一生ご縁がなくなってしまうかもしれません。これってどちらにとっても悲しいことですよね。

 

では、どうやったら罪悪感を抱かずにいていただけるのか。

 

それは、担当した営業の人のその後の対応次第なのです。

 

断られたお客さまであっても、ご縁だけはつなげておきたいと心から思うことです。購入してくれた、契約してくれた、こういった自分の結果に価値を置くのではなく、一期一会という出会いに価値を置いて出会いに感謝します。

 

出会える確率は80億分の1なのです。

 

ましてや、営業が「せっかく丁寧に説明したのに断られた……」という不快な感情を持ちすぎてつながりを自分から切ってしまうのももったいないです。でも、断られたお客さまにまた連絡するのは勇気がいります。

次ページ記憶に残るのは商品ではなく「営業の印象」

本連載は和田裕美氏の著書『ファンに愛され、売れ続ける秘訣』(かんき出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

ファンに愛され、売れ続ける秘訣

ファンに愛され、売れ続ける秘訣

和田 裕美

かんき出版

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