(※画像はイメージです/PIXTA)

筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきかを記しています。発達障がいは治療ができない難病ではありません。本記事では、「5歳児健診」について解説していきます。

「0時に寝ている」「テレビつけっぱなし」の5歳は…

5歳児健診の中核は「気づき」の健診です。「診断」の健診ではありません。親御さんにお子さんの行動や生活の問題点に早く気づいてもらい、就学に向けて医療と保健と親御さんが連携をすることで、子育ての困難さに早めに対応してあげられると考えたのです。

 

本当はこれに教育との連携が入ればベストです。この時私は、他の健診ではあまり質問事項にない、睡眠時間やテレビ・ゲームの時間まで問診表に取り入れ、現代社会に見合った健診をできるだけ心がけました。

 

5歳なのに0時に寝ているお子さんやテレビをつけっぱなしにしているお子さんに多動が多く見られました(環境性のADHDと考えられます)。

 

ここで生活環境を整えることにより、衝動的な行動が減ったり、落ち着きが出たりと将来のお子さんの症状に大きく影響するので、保健師と協力して必死に親御さんを指導し、支援しました。

 

5歳児健診を行うことで、他にも非常に有意義な結果が得られました。発達障がい以外に視力低下や肥満のお子さんが予想以上に多かったのです。体力スポーツテストで改善した例もよく見かけます。

 

健診でADHDが疑われ、6歳になってADHDを治療したところ、集中力が上がり、必死でボールを投げた結果成績がDランクからBランクへ上がったお子さんもいます。

 

発達障がいは、さまざまな面で影響を及ぼすことがあるのです。だからこそ、こまめにチェックすることが必要です。

 

3歳児健診(母子保健法)が終わると、次は就学時健診(学校保健法)まで法によって定められた公的な集団健診はありません。たいていのお子さんは3歳過ぎから幼稚園などへ入園し、集団に入って初めて行動の問題に気づかれることも珍しくありません。

 

そのためにも、集団生活に入ったあとの5歳あたりで再度健診をして親御さんや園の悩みを聞くべきなのです。そうすることで就学までに改善策を練ることも可能なのです。

 

また、親御さんはお子さんの発達障がいに気づいたあと、できるだけ早期に医療へつなげていくことが大切です。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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