恐るべき北朝鮮ミサイルの正確性…「発射後10分で日本に」「3度の発射でほぼ同じ地点に落下」 (※写真はイメージです/PIXTA)

世界地図をのぞくと日本はロシア・中国・北朝鮮に囲まれており、現在の世界情勢を照らし合わせると、地政学上大きく危険をはらんでいる国の一つといえます。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻による戦場の痛ましい現状の報道を目にして、罪のない人々が苦しむ姿に心痛めるとともに、自国の安全への不安を募らせれている人も多いのではないでしょうか。本連載では「2027年、日本がウクライナになる(他国に侵攻される)」と予測する、元自衛官で「戦場を知る政治家」である佐藤まさひさ氏の著書から一部一抜粋して、日本防衛の落とし穴についての知識を分かりやすく解説します。

相次ぐミサイル発射。北朝鮮の本当の狙いは?

2022年に入り、北朝鮮がミサイルを発射する回数が激増しています。確認されているだけでも6月上旬までに17回26発。過去3年と比べても、突出して多いことがわかります(2019年は13回、2020年は4回、2021年は4回)。しかもロシア軍のウクライナ侵攻後には4ヵ月で11回。不安になった人も多いでしょう。その意図は?

 

一番はミサイルの精度を高めることです。2021年、金正恩キムジヨンウン総書記は「国防5か年計画」を発表し、軍事力の強化を打ち出しました。ミサイルは実際に発射実験をして、トライ&エラーをくり返すことで、命中精度を高めていきます。

 

しかし今、発射実験の回数が増えている背景には、技術の向上以上に「政治的な思惑がある」と、私は見ています。その一つは「ロシアとの連携を示す」です。もう70年以上も前になりますが、朝鮮戦争の際に後ろ盾になってくれたのはソ連でした。言わば「建国の恩人」なのです。言葉は悪いのですが「やくざの親分と子分」のような関係で、「親分が戦うなら俺も」と"忠誠"を示したのです。

 

北朝鮮のミサイルにはロシアの技術が取り入れられています。このため、日本やアメリカは、北朝鮮のミサイル発射に対し、ロシアに制裁を加えるのです。「世界の目がウクライナに向いている隙に撃ってしまおう」という考えもあったかもしれません。しかし北朝鮮の本当の狙いは、アメリカの関心を引くことです。なぜか?

 

アメリカを交渉の場に引きずり出そうとしているのです。北朝鮮は、アメリカから多数の制裁を加えられています。緩和してもらいたいのに交渉はストップしたままという状態です。交渉の場を設けなければ、制裁は解かれない。そこでミサイルを発射して暴れまわり、アメリカを挑発している訳です。デタラメとしか言いようがない、幼稚さです。

 

しかし金正恩総書記としては、国民の手前、頭を下げて「交渉再開」をお願いすることはできない。威張りながらアメリカを交渉の席に着かせるには、これしか方法がないのです。「泣く子と地頭には勝てぬ」作戦でしょうか?

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    参議院自民党国会対策委員長代行
    自民党国防議員連盟 事務局長

    “ヒゲの隊長”こと、参議院議員佐藤まさひさ(先生)は、福島県出身。
    防衛大学校卒業後、約25年間、陸上自衛官として勤務。国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長、イラク先遣隊長、第7普通科連隊長を兼ねて福知山駐屯地司令などを歴任。

    平成19年、参議院議員に初当選し、現在3期目。外務副大臣、防衛大臣政務官のほか、参議院外交防衛委員長や自由民主党国防部会長、外交部会長などを歴任。現在は、参議院自民党国会対策委員長代行、自民党国防議員連盟事務局長として活躍。

    著者紹介

    連載「2027年、日本がウクライナになる(他国に侵攻される)」と予測する、元自衛官の政治家が国家防衛の落とし穴について解説

    ※本連載は、佐藤まさひさ氏の著書『知らないと後悔する 日本が侵攻される日』(幻冬舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

    知らないと後悔する 日本が侵攻される日

    知らないと後悔する 日本が侵攻される日

    佐藤正久(現・佐藤まさひさ)

    幻冬舎

    2027年、日本がウクライナになる――。決して脅しではない。習近平国家主席が4期目を決めるこの年に、世界は大きく動くことになるだろう。ロシア、中国、北朝鮮に囲まれた我が国の危険性は、日増しに高まるばかりである。ロシ…

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