ロシア兵の「戦ってるふり」がウクライナ人SNSで発覚。兵隊がさじを投げる、プーチン内閣の時代錯誤な侵攻戦略の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

世界地図をのぞくと日本はロシア・中国・北朝鮮に囲まれており、現在の世界情勢を照らし合わせると、地政学上大きく危険をはらんでいる国の一つといえます。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻による戦場の痛ましい現状の報道を目にして、罪のない人々が苦しむ姿に心痛めるとともに、自国の安全への不安を募らせれている人も多いのではないでしょうか。本連載では「2027年、日本がウクライナになる(他国に侵攻される)」と予測する、元自衛官で「戦場を知る政治家」である佐藤まさひさ氏の著書から一部一抜粋して、日本防衛の落とし穴についての知識を分かりやすく解説します。

過去の戦い方で臨んだロシア軍は短期決戦に失敗

2022年2月24日のロシア侵攻が始まる前、「軍事侵攻はないだろう」というのが、大方の専門家の見方でした。でも、私の考えは違っていました。なぜなら、ロシアはウクライナとの国境付近に1年前から新たな基地を造っていたからです。目的もなく基地を造ることはあり得ません。極東部隊がベラルーシに派遣されたという情報も得ていました。これによって「ロシアはやる気だ」と確信したのです。

 

同時に「決戦は短期になる」とも予想していました。ところが、ロシアは短期決戦に失敗したのです。もう一つ、ロシアの大きな怠慢、最悪の失敗。それは、最初にウクライナの対空火器、防空網を叩かなかったことです。

 

普通なら少なくとも2〜3日、できれば1週間くらいかけて相手の空軍基地や対空火器を攻撃し、制空権(戦闘機が飛べる状況)を確保します。同時に、サイバー戦をしかけて、情報システムを破壊したり、混乱させたりします。いわゆるハッカー行為や、電波塔への攻撃などです。こうやって、相手の飛び道具を奪い、目と耳を塞ふさいだうえで、地上部隊を投入していく訳です。

 

しかし、ロシアは初日の夜明け前に2〜3時間それをしただけで、地上部隊を侵攻させ、上空に輸送機を飛ばしてパラシュート部隊を降下させた。どうなったと思いますか?

 

対空火器が残っているので、パラシュート部隊は撃ち落とされる。戦闘機も思うように飛べない。戦車は燃料が切れて立ち往生。ドローンに破壊される戦車もありました。

 

戦車は重く燃費が悪く、前と後ろを叩かれたら最後、身動きが取れません。小回りの利かない戦車や地上部隊を動かすなら、燃料給油車や防空火器、ドローンを飛べなくする電子戦部隊も同行させなければならないのです。ところが、ロシアはそんな基本さえ不十分だった。なぜか?

 

やはり、過信と慢心と言えるでしょう。過去のチェチェンやシリアの戦いでは、空爆が主で、地上軍を壊滅させた後で掃討部隊が乗り込んでいった。しかし時代は変わったのです。新たな戦い方への準備が明らかに不足していました。

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    参議院自民党国会対策委員長代行
    自民党国防議員連盟 事務局長

    “ヒゲの隊長”こと、参議院議員佐藤まさひさ(先生)は、福島県出身。
    防衛大学校卒業後、約25年間、陸上自衛官として勤務。国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長、イラク先遣隊長、第7普通科連隊長を兼ねて福知山駐屯地司令などを歴任。

    平成19年、参議院議員に初当選し、現在3期目。外務副大臣、防衛大臣政務官のほか、参議院外交防衛委員長や自由民主党国防部会長、外交部会長などを歴任。現在は、参議院自民党国会対策委員長代行、自民党国防議員連盟事務局長として活躍。

    著者紹介

    連載「2027年、日本がウクライナになる(他国に侵攻される)」と予測する、元自衛官の政治家が国家防衛の落とし穴について解説

    ※本連載は、佐藤まさひさ氏の著書『知らないと後悔する 日本が侵攻される日』(幻冬舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

    知らないと後悔する 日本が侵攻される日

    知らないと後悔する 日本が侵攻される日

    佐藤正久(現・佐藤まさひさ)

    幻冬舎

    2027年、日本がウクライナになる――。決して脅しではない。習近平国家主席が4期目を決めるこの年に、世界は大きく動くことになるだろう。ロシア、中国、北朝鮮に囲まれた我が国の危険性は、日増しに高まるばかりである。ロシ…

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