“同じ条件の家”を買うのに、買い方や情報を知らないために500万円も(ケースによってはもっと)損する買い方をしてしまっていることがあります──宅地建物取引士、建築士などの資格を持ち、不動産業界の第一線で活躍する美馬功之介氏の著書『「中古住宅+リノベーション」を賢くお得に買うための住宅ローンとお金の話 』(同文舘出版)より、「必ず人生にプラスになる住宅購入」となるための知識を一部抜粋しお届けします。
家探しのパートナーにするべき相手は?
Q なぜ無理な家を買って「家地獄」にはまってしまうのか?
A 一般の人が学べる情報が少なく、無知な人をプロが誘導するのは簡単だからです。
私が本書を書いている大きな理由は、「住宅購入で失敗する人をなくす」ことです。何千万円という人生を左右しかねない買い物なのに「家の買い方」をまったく勉強せず、何の知識もないまま不動産会社に行く人がとても多いのが実情です。
家の買い方は学校でも教えてくれず、塾もありません。数万円から数十万円するブランドもののカバンや服を買う時はあんなに調査して知識をつけている女性でも、なぜか数千万円の買い物に対して、「初めてなのでまったくわかりません」という状態なのです。
お客様にとっては一生で一度の買い物でも、不動産営業のプロにとっては毎月の売上、営業数字の話です。嫌な言い方かもしれませんが、これも事実です。不動産会社の報酬は「手数料収入で物件金額の3%+6万円+税」です。もちろん高い物件金額のほうが手数料収入も多くなります。
A:1500万円の中古住宅の仲介の場合→仲介手数料51万円+税金
B:3000万円の中古住宅の仲介→仲介手数料96万円+税金
C:4000万円の新築分譲→売主利益300万~500万円
どちらも営業マンの仕事量は同じでしょう。むしろ高い物件のほうが楽なケースが多いです。そして新築分譲住宅の場合は、表示価格は手数料0円ですが、業者が売主の場合、もっと多い利益を含んだ物件価格で販売をしているのです。
つまり、いい営業マンをパートナーにすることが大事です。そのためにも任せっきりでなく、自分自身でも知識を得て、意思をはっきり持ちながら一緒に成功に近づきましょう。
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株式会社MIMA 代表取締役社長/不動産エージェント、宅地建物取引士、建築士
学生時代に海外を放浪し、アジア、中東、ヨーロッパの国々の住居や建築を肌で感じ影響を受け、不動産業界に就職。大手不動産会社にてトップセールスとして販売に携わるも、バブル崩壊直後の価格の下落、無理なローンで人生が狂い苦しむ人を目の当たりにする。また、業者都合で物件を売っていく不動産販売にも疑問を感じはじめる。同時期、阪神・淡路大震災が起こり、会社の後輩を亡くし、「建物に潰されて、住まいに殺される」悔しさを経験する。
「住まいの失敗で苦しむ人をなくすこと」をめざして1996年に不動産会社を退職、実家の住宅設備会社「美馬商店」に入社、建築職人として再出発する。建築士の資格を取得し、2003年に代表取締役に就任。社名を「株式会社MIMA」に変更し、下請の設備工事店から元請のリフォーム会社に転換し、「MIMA 建築設計事務所」も開設。
2010年には不動産事業へ進出。住まいの情報発信基地「MIMA すまいるプラザ」を開店し、念願の「中古住宅+リノベーションのワンストップ事業」を地域密着で提供。年間1,600件・延べ15,000件を超える物件を手がける現役社長として、お客様の住宅購入を成功に導くために活動している。アメリカでの中古住宅流通の研究視察にも参加し、日本の住宅流通のしくみを変える使命に燃える。「賢い中古住宅購入」などのセミナーも多数開催。著書に『最新版 必ず知っておきたい「中古住宅+リノベーション」を賢くお得に買う方法』(同文舘出版)がある。
https://mima-yao.com/
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