“同じ条件の家”を買うのに、買い方や情報を知らないために500万円も(ケースによってはもっと)損する買い方をしてしまっていることがあります──宅地建物取引士、建築士などの資格を持ち、不動産業界の第一線で活躍する美馬功之介氏の著書『「中古住宅+リノベーション」を賢くお得に買うための住宅ローンとお金の話 』(同文舘出版)より、「必ず人生にプラスになる住宅購入」となるための知識を一部抜粋しお届けします。
住宅購入は〇〇設定から
Q 「物件探しからすると失敗する」と聞きましたが本当ですか?
A はい。本当です。でもほとんどの人がそこから入ります。
「そろそろ家を買おうか?」と考えた時、まずはインターネットや雑誌などで物件情報を探しますよね。そして、「これいいな」「こっちもいいね」と言って見ながら、「土地は最低30坪必要」「駅から徒歩10分以内」など、希望をつくっていくと思います。それは間違いでもなんでもありません。
ここからです。気になった物件を見に行こうと不動産会社に出向きます。少しアンケートに答えて話をすると、「どんな物件をお探しですか?」とか「予算はいくらぐらいでお探しですか?」と聞かれて、「〇〇駅徒歩10分以内で駐車場付きでリビングが広くて30坪ぐらいの戸建て住宅。予算は4000万円ぐらいかな?」と、想像で答えます。そして、いくつか物件資料を見た後、「この物件とこの物件を見に行きましょう」となっていきなり見に行くのが、不動産会社の進め方の大半でしょう。
そして見た後で「どうでした? 何件目が気に入りましたか?」「あの物件は超お得なおすすめ物件なんですよ! なくなる前に申し込みを入れましょう!」「資金計算はこんな感じで、お客様ならローンも大丈夫ですよ! さぁ!」となってしまい、「いやいやちょっと見たかっただけなんで……」と引こうとしても、なかなか逃がしてくれない。
この一連の流れが実際に多いパターンです。物件情報を見るたびにいろいろな不動産会社に行き、同じことを繰り返してしまう。そして、そのうち流されて買っちゃうものです。自分の本当の適正予算も知らずに……。有利な賢い買い方も知らないままに……。価格の相場も知らず……。中古住宅の選択肢も与えられず……、またはリフォーム費用もわからないままに……。
そうです。本当は物件を選ぶのは最後なのです。私の会社の例で言うと、まず「予算の立て方・賢い買い方・物件の探し方」を初回はセミナーで学んでもらいます。営業マンが詳しく説明してくれる会社もあるでしょう。そう、遠まわりですがその知識を理解してから物件を見に行くのが結果的には成功に近づきます。「急がばまわれ」、不動産購入成功の秘訣はそこにあります。
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株式会社MIMA 代表取締役社長/不動産エージェント、宅地建物取引士、建築士
学生時代に海外を放浪し、アジア、中東、ヨーロッパの国々の住居や建築を肌で感じ影響を受け、不動産業界に就職。大手不動産会社にてトップセールスとして販売に携わるも、バブル崩壊直後の価格の下落、無理なローンで人生が狂い苦しむ人を目の当たりにする。また、業者都合で物件を売っていく不動産販売にも疑問を感じはじめる。同時期、阪神・淡路大震災が起こり、会社の後輩を亡くし、「建物に潰されて、住まいに殺される」悔しさを経験する。
「住まいの失敗で苦しむ人をなくすこと」をめざして1996年に不動産会社を退職、実家の住宅設備会社「美馬商店」に入社、建築職人として再出発する。建築士の資格を取得し、2003年に代表取締役に就任。社名を「株式会社MIMA」に変更し、下請の設備工事店から元請のリフォーム会社に転換し、「MIMA 建築設計事務所」も開設。
2010年には不動産事業へ進出。住まいの情報発信基地「MIMA すまいるプラザ」を開店し、念願の「中古住宅+リノベーションのワンストップ事業」を地域密着で提供。年間1,600件・延べ15,000件を超える物件を手がける現役社長として、お客様の住宅購入を成功に導くために活動している。アメリカでの中古住宅流通の研究視察にも参加し、日本の住宅流通のしくみを変える使命に燃える。「賢い中古住宅購入」などのセミナーも多数開催。著書に『最新版 必ず知っておきたい「中古住宅+リノベーション」を賢くお得に買う方法』(同文舘出版)がある。
https://mima-yao.com/
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