世界的に見てもリゾート地として人気があるハワイは、不動産投資先としてもおすすめのエリアです。本記事では、ハワイ不動産投資をする6つのメリットと、投資をするうえでの注意点やリスクについて解説します。
ハワイ不動産の今後の見通しや情報収集の仕方も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. ハワイ不動産投資に取り組むメリットとは
日本国内での不動産投資と比べて、ハワイ不動産投資には特有のメリットがあります。ここでは、以下の代表的な6つのメリットについて詳しく解説します。
- 高い賃貸需要がある
- 不動産の流通が安定している
- 不動産ローンが利用しやすい
- 地震が少ない
- 日本語に長けた不動産エージェントが多い
- 「米ドル」へ資産分散できる
1.1. 高い賃貸需要がある
ハワイは日本人だけでなく、世界的に見ても人気があるリゾート地です。最近はコロナ禍により観光客は減少しましたが、今後徐々に旅行者が増え観光客は戻ってくるでしょう。
ハワイは観光産業が盛んで、別荘の需要が高いのが特徴です。旅行者に人気のあるエリアであれば、高い需要を見込めます。
実はハワイの中心地であるホノルルには、比較的所得の高い教育に従事する人が多く住んでいます。US Census Bureauによるとホノルルに住む人たちの約44%は賃貸住宅に住み、持ち家率は約56%です。
所得が安定した人々をターゲットにできれば、空室リスクにも備えることができます。
1.2. 不動産の流通が安定している
ハワイでは、外国人の不動産所有に関する制限がありません。自由に売買することができ、登記制度も確立されていることから、投資家に取って魅力のあるエリアといえます。
不動産売買が盛んで安定した需要が見込まれることから、ハワイの不動産の流通は安定しています。
1.3. 不動産ローンが利用しやすい
海外の不動産物件は不動産ローンを組むことが難しいという側面がありますが、ハワイの不動産投資に関してはローンを組める金融機関が複数あります。
たとえば東京スター銀行ではハワイ州オアフ島南岸エリアに限られますが、ローン契約から不動産登記手続きまで日本国内で完結できます。
他にも、オリックス銀行やSBJ銀行でも、ハワイの不動産に対してローンを組むことができます。しかし、エリアが限定的であったり、購入価格の50%までという条件があったりするため、自己資金が必要です。
1.4. 地震が少ない
不動産を所有するうえで、気になるのは自然災害による被害です。日本は地震大国といわれますが、ハワイは火山があるものの地震が少ないエリアです。
最近でいえば2018年の5月にマグニチュード6.9という比較的大きな地震がありましたが、震源地が観光地から離れていたため大きな被害はありませんでした。
もちろん今後ハワイで大きな地震が起こらないとはいえませんが、日本と比べると地震のリスクは少ないと考えられるでしょう。
1.5. 日本語に長けた不動産エージェントが多い
ハワイは日系移民が多いため、日本語に長けた現地不動産エージェントが多いのが特徴です。ハワイ在住の日本人もいるため、日本人の不動産エージェントを探すことも難しくないでしょう。
言語の壁は予想以上に問題となります。アクシデントがあった際に日本語でコミュニケーションがとれることは重要なポイントです。
ハワイは時差があるため、コミュニケーションは基本メールになることが予想されます。日本語でコミュニケーションが取れれば、スムーズに交渉ができるでしょう。
1.6.「米ドル」へ資産分散できる
投資をするうえで重要なことは、リスク回避のための分散投資です。
円安傾向にあり米ドルが強い現在は、米ドルで家賃収入を得ることは大きなメリットといえます。ハワイでの不動産投資が米ドル資産の形成につながります。
ハワイに限らず米ドルで家賃収入を得ることができるアメリカへの不動産投資は、資産分散になるメリットがあります。
2. 事前に把握したい、ハワイ不動産投資における注意点
ここまではハワイ不動産投資のメリットについて解説してきましたが、もちろん注意すべき点もあります。以下の4つのポイントを紹介します。
- 利回りを期待した投資は不向き
- 物件価格は高騰を続けている
- バケーションレンタルへの規制
- 2022年の税制改正によって節税効果が薄れた
2.1. 利回りを期待した投資は不向き
ハワイは旅行先としてはもちろん、不動産投資先として魅力的な地域です。別荘や不動産投資として人気のあるコンドミニアムなど投資用物件が多く、流通量が多いのが特徴です。
しかし、不動産価格に対して家賃相場はそこまで高くなく、利回り(インカムゲイン)はあまり期待できません。相対的には利回りは低く、ホノルルの物件で3%前後です。不動産投資を長い目で見る人や、将来的に自己利用を想定する人向きといえます。
2.2. 物件価格は高騰を続けている
アメリカの不動産仲介業者「Redfin」が公表しているハワイ住宅市場の5年間の推移を表すグラフをみると、2018年には住宅価格(コンドミニアム)の1平方フィートあたりの中央値が500米ドルを少し超える程度でした。
しかし、2022年には700米ドルを安定して上回っている状況が続いています。2022年8月の発表によると、ハワイの住宅価格は昨年と比較して1.5%上昇しています。一方で販売された住宅の数は26.8%減少したことがわかります。
ハワイ不動産投資で利回りは大きく期待できないまでも、資産価値の上昇による利益(キャピタルゲイン)を期待できる状況にあります。
2.3. バケーションレンタルへの規制
近年、ハワイでは購入した物件を旅行者に短期間(30日間以下)貸し出す「バケーションレンタル」が話題となっています。物件数が増加するにつれてホテル業界への影響も深刻になり、観光産業が大きな収入源のハワイでは問題となりました。
バケーションレンタルに関しては賛否両論ありましたが、新しい法律が成立した2022年10月以降は、最短30日間の貸し出しが可能だった物件もリゾートゾーニング以外では最低でも90日間以上レンタルしなければならなくなりました。
バケーションレンタルできるエリアについても制限があり、観光客の多いリゾート地であるワイキキやコオリオなどに限られています。
どのエリアでもバケーションレンタルできるわけではないので、注意が必要です。バケーションレンタルを検討している場合は、該当エリアについて必ず現地エージェントに確認してください。
2.4. 2020年の税制改正によって節税効果が薄れた
2020年の税制改正以前は海外不動産投資は節税効果が見込めたため、富裕層を中心に魅力的な投資として注目されていました。
日本国内と異なり海外の中古不動産は古くても資産価値が下がりにくく、築年数が古い分多額の減価償却費を計上できるメリットがあったためです。
しかし、2020年の税制改正により、不動産所得の計算において損失が発生した場合、そのうち、国外中古建物の減価償却費相当額の損失は生じなかったとみなされるようになり、日本国内の所得と損益通算できなくなりました。これが「国外中古建物の不動産所得の損益通算等の特例」です。この改正以降は節税効果が薄れ、海外不動産投資による大きな節税メリットは期待できなくなりました。
したがって、あくまでも分散投資の視点で検討しましょう。
3. ハワイ不動産投資によって発生するリスク
3.1. エリア・観光業の活気に影響される「空室リスク」
ハワイは世界的にリゾート地として人気があり、観光産業が大きな収入源となっています。観光客の減少はそのまま経済の停滞につながり、賃貸業にも大きく影響します。
不動産投資をするうえで、投資をするエリアや入居者のターゲット選びは非常に重要です。ハワイはリゾート目的の富裕層と、観光業に従事する労働者層が混在しています。リスク回避として、富裕層が好むエリアを選ぶのもひとつの方法です。
また、観光客をターゲットとする場合、主要エリアへの利便性が重要です。地名だけで選ばず、各スポットへのアクセスを確認しましょう。労働者層をターゲットにする場合は通勤や買い物の利便性が重要です。バス停が近いことなどがメリットになります。
エリアの選定については、現地エージェントに相談することをおすすめします。
3.2. 火山・ハリケーンなどの自然による「災害リスク」
ハワイは地震があまり起こりませんが、火山のある島です。今後、噴火や火山灰など災害リスクは少なからず存在します。
また、ハワイでは1992年9月にハリケーンによって甚大な被害を受けています。カウアイ島に直撃し、1,500戸近くの家屋が全壊し死者も6名出ています。
近年、世界的に異常気象や温暖化により、ハリケーンの勢力が大きくなる傾向にあります。過去の水害や風害の被害状況などを現地のエージェントに確認しておくとよいでしょう。
3.3. 不動産における税金・修繕費で生じるリスク
ハワイでは日本でいう不動産取得税にあたる税金はありませんが、固定資産税や譲渡所得税が課されますので注意が必要です。
特にハワイはアメリカ国内でも税金が高い地域になります。日本とアメリカの両方から課税されることは租税条約を結んでいるためありませんが、高いほうの税金が課されます。
また、日本の消費税に似たVATという付加価値税があります。税金に関しては改正により変わることがありますので、物件購入を検討する前に現地エージェントに確認するようにしてください。
税金の他にも建物の修繕費を想定する必要があります。ハワイでは築年数が古い物件が多く流通しているので、物件によっては想定以上に修繕費用がかかる場合があります。事前のインスペクション(建物の調査及び診断)により建物の劣化状況を確認し、場合によっては売主に交渉しましょう。
4. ハワイ不動産投資の失敗を回避するには
ここからは失敗を回避するための方法を3つ紹介します。
- 適切な保険に加入する
- 出口戦略を練っておく
- 日ごろから経済情報を収集する
4.1. 適切な保険に加入する
エージェントから火災保険に加入することを勧められた場合は加入すべきですが、保険の内容や補償額に関してはきちんと比較検討して契約することをおすすめします。
アメリカの保険会社の商品なので、約款や契約書は英文です。専門用語が多く難解ですが、今は便利な翻訳ツールもありますので、ご自身が納得したうえで保険への加入を決定しましょう。
4.2. 出口戦略を練っておく
不動産は、売却したいときにすぐ売れるとは限りません。売却までに数ヵ月かかるケースが多いです。
ここで大事なことは出口戦略です。色々なケースを想定し、その際にどう動くのかシミュレーションしておくとよいでしょう。
事前に「空室期間が3ヵ月続いたら売却する」などと決めておくと、実際に早く行動に移すことができます。もちろんマイナスの要因だけではありません。価値が上がってきたら売却して、その資金で新たな物件を購入するという戦略も考えられます。
4.3. 日ごろから経済情報を収集する
たとえば、2022年10月から、バケーションレンタルできる期間が地域によっては最短でも90日以上となっていますが、こういった法令も、成立してすぐに適用となるわけではありません。情報を得てすぐ行動すれば、リスク回避できることも増えます。
日本国内の経済情報や法律の改正はもちろん、ハワイの情報収集も大切です。今はインターネットで情報収集できるので、常にアンテナを張っておくとよいでしょう。
5.【2022年以降】ハワイ不動産の今後の見通しは?
ハワイ不動産投資において今後注目されるのは、ハワイ初の鉄道「ホノルル・レール・トランジット」です。建設の遅れや工事費の不足により当初予定されていた21駅が19駅に短縮されましたが、車を持たない人や旅行者にとっては交通手段が増え、利便性が向上することになります。
この鉄道の沿線エリアではすでにマンションや商業施設の開発が進んでおり、人気が集中することが予想されます。今後、ハワイでは注目されるエリアとなるでしょう。
6. ハワイ不動産投資の情報を集めるおすすめの方法
ハワイ不動産投資を検討する場合、現地の情報を収集することが重要です。世界情勢やアメリカ政府が発表する情報はもちろんですが、現地エージェントからの情報も重要です。エリアの特徴や相場などを知ることができます。
加えて、情報収集の方法としておすすめなのが、ハワイ不動産投資家によるブログです。実体験や失敗例は大変役立ちます。ただし、情報が偏らないように、なるべく多くの情報を得ることが得策といえます。
まとめ
ハワイ不動産投資には日本国内では得られないメリットがある一方で、リスクがあるのも事実です。しかし、注意すべきポイントを把握することにより失敗を回避、もしくは損失を軽減することができます。
ホノルル・レール・トランジットの開通は、ハワイ不動産投資を検討する人にとっては見逃せないイベントです。今後も鉄道沿線の開発が注目され、さらに人気が集中するすることが予想されます。
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