腸脳力を手に入れて記憶能力もアップ
脳と腸とは一見ほとんど関連性がないと思うかもしれませんが、実は「大あり」なのです。何といっても、腸は第二の脳とよばれるほどの器官なのです。何か腸内でトラブルがあったとしても、自らの判断機能によって活動を続けることができるほどです。
最近の研究で、その腸内環境の状態が実際の脳にも影響を与えることがわかってきました。その鍵を握るのが、脳内に分泌される脳内神経伝達物質とよばれるものです。ここで紹介するのは、その中の2つです。1つは「ドーパミン」、もう1つは「セロトニン」です。
ドーパミンは、やる気や集中力、そして、モチベーションの向上のためには欠かせない物質です。これまでお伝えしてきたように、記憶能力のスイッチというのはやる気や集中力なのです。これがあって、はじめて覚えることを可能にします。そういう意味では、このドーパミンは記憶能力アップにも欠かせない脳内神経伝達物質というわけです。
もう1つのセロトニンは、別名「幸福ホルモン」ともよばれ、脳内に分泌されるとメンタルを安定化させる作用があります。メンタルの安定も記憶能力アップには欠かせません。
ワーキングメモリの機能は、メンタルの状態に非常に左右されるのです。ワーキングメモリの機能が低下すると、それに伴い長期記憶の能力も低下します。長期記憶にするための役目も、このワーキングメモリが担っているからです。つまり、メンタルが不安定だと記憶能力が低下してしまうということです。このことが、自分の記憶競技の体験でわかったので、私自身もあるときからメンタルの安定というものを非常に重視しているのです。
これまで“脳内”神経伝達物質といってきましたので、これらの物質は脳内ですべて作られると思ったかもしれませんが、それは違うのです。実はドーパミンは、全体の50%を腸が供給しています。さらにセロトニンは、何と全体の90%を腸が供給しているのです。
ドーパミンは、腸内ではL-ドーパという物質であり、これが脳内に入ってドーパミンに変換されます。一方、セロトニンは、脳への関わり方が少し変わっています。腸で作られた物質が直接脳内に送られるわけではないのです。
最近の研究から、腸で作られたセロトニンが独特の方法で脳に影響を与えていることがわかってきました。もともと、腸と脳は迷走神経という神経でつながっています。腸で作られたセロトニンは、この迷走神経を刺激することで、脳内のメンタルをコントロールしている場所に直接命令を出すのだそうです。その命令により、メンタルの安定化を図るというような複雑なシステムになっているそうです。
しかし、ここまで説明してきた数値は、あくまでも健康な腸内環境の場合です。当然、腸の調子が悪くなれば、ドーパミンにせよセロトニンにせよ、その産生量は減ってしまうことになります。また、腸内環境が悪くなると体内に炎症が起きて、その悪い情報が脳に伝わるというしくみもあるので、メンタルの状態も悪くなってしまうのです。
さらに近年、腸と脳との関係については学習機能にまで関係がある可能性も示唆されてきています。これからますます腸の健康は注目されてくるでしょう。
以上のことから、要するに、腸内環境を整えることが記憶能力をはじめ脳の性能アップにつながるのです。これを「腸脳力」というわけです。
脳の健康のためには、腸の健康もとても重要だということです。私も食物繊維や発酵食品は積極的にとるように心掛けています。皆さんも腸活を心掛けて脳力を磨いてください。
池田 義博
記憶力日本選手権大会最多優勝者(6回)
世界記憶力グランドマスター
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