ダラスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社、シービーアールイー株式会社(CBRE)。今回は、同社が発表したレポート「ジャパンリテールマーケットビュー 2022年第2四半期」から、東京の主要5大一等地(銀座・表参道・原宿・新宿・渋谷)の貸店舗市場動向をみていきます。
表参道・原宿の貸店舗市場動向
■ラグジュアリーの一部は、相場を超える賃料を検討
今期(Q2)ハイストリートの空室率は、対前期比1.0ポイント低下の6.2%となった。比較的面積が大きい募集物件で、テナントが決定している。ハイストリートの表参道では、募集の可能性がある区画に対して、ラグジュアリーブランドなど複数のリテーラーから引き合いがある。なかには、相場を超える賃料水準で検討するリテーラーも含まれている。
表参道では、ラグジュアリーブランドの出店ニーズが集まっている。また、ポップアップストアの好調を背景に、常設店舗の出店を検討するリテーラーもみられる。そのため、今期の表参道・原宿ハイストリート賃料は、対前期比3.4%上昇の18.38万円となった。ハイストリートの明治通りでは、日本初出店を含む複数の出店が内定。
一方、空室が長期化する募集物件も複数ある。特に国内ブランドが集積する立地では、リテーラーの出店ニーズが弱い状況が続いている。
セカンダリーエリアの募集物件では、日本初出店となる海外ECブランドの出店ニーズがみられた。また、銀座から移転したリテーラーの出店が内定した事例もあった。若年層をターゲットとしたプロモーションを行いたい考え。
新宿の貸店舗市場動向
■大型の募集物件では、面積縮小を条件としたリテーラーの出店ニーズ
今期(Q2)ハイストリートの空室率は、対前期比2.2ポイント上昇の10.2%となった。比較的面積が大きい区画で、空室が出たことが主因。
今期の新宿ハイストリート賃料は、2期連続横ばいの17.00万円。ハイストリートの新宿通りにある募集物件では、高級時計の出店が内定した。また別の募集物件では、リテーラーからの引き合いがいくつかみられている。新宿通りでは、ラグジュアリーブランドやアウトドア・スポーツなど、複数のリテーラーから出店ニーズが集まっている。比較的面積が大きい募集物件でも、複数の引き合いがある。
ただしリテーラーからは、面積を縮小する、階層を減らすなどの分割対応の条件が出ているケースが多い。背景として、賃料総額を抑えたい意向がある。
また、ハイストリートにある既存テナントのなかには、再契約の意向はあるものの、業績不振を理由に現行賃料からの減額を希望しているところがある。セカンダリーエリアの募集物件では、ファッションや食物販からの引き合いがある。ただし、相場を超える賃料水準や、店内レイアウトの難しさを理由に、テナントの内定には至っていない。
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CBREグループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン500」や「S&P500」にランクされ、ダラスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社です(2022年の売上ベース)。全世界で115,000人を超える従業員(ターナー&タウンゼントの従業員を除く)が、100カ国以上でクライアントに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。
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シービーアールイー株式会社(CBRE)
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2007年シービーアールイー入社。投資家や一般事業会社所有の不動産に対して、有効活用を提案するコンサルティング業務に従事。2010年リサーチに異動。グローバルならびにAPACレポートの日本パート作成に携わり、海外クライアントに対して日本のオフィス、物流施設、商業施設の賃貸市場に関する情報を発信。2014年から商業施設の賃貸市場に特化し、各種レポートの執筆とともに国内外のクライアントに対してマーケットの考察を提供している。グラスゴー大学院社会科学部、早稲田大学経営管理研究科卒業。
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