(※画像はイメージです/PIXTA)

模擬試験を受けることで、高校の合格に向けた作戦が立てられます。大手や中堅の塾では塾内で模試を定期的に実施しています。すなわち、模試は志望校合格へのマストアイテムといえます。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

模試結果が「隠れた弱点」をあぶり出す

では、答案用紙の解説を見ながら、次のポイントを探していきましょう。

 

■苦手な教科・単元

 

得意教科と苦手教科は、普段からなんとなくわかっている受験生は多いですが、具体的にどの部分が苦手なのかをきちんと把握している生徒はそう多くはありません。特に苦手な教科については、つまずいて以降、手をつけずに放置しているケースもあり、理解できれば、取れていなかった分の点数が取れる可能性を秘めています。

 

「苦手だから無理」ではなく、苦手だからこそ、受験を機に見直してみることが大切。模試で再確認した苦手部分は、基礎をもう一度見直すことで、得点アップを狙える可能性があります。

 

また、あまり苦手意識はないのに理解できていない単元や、得意教科の中にも好きではない単元など、実は勉強不足・理解不足の「隠れた弱点」があるかもしれません。これらは普段の勉強ではなかなか気がつきにくいものです。その隠れていた部分が、模試であぶり出される可能性があります。

 

苦手意識はないのに点数が取れていない、ということは、裏を返せば、再確認すれば点数が取れる、得点アップの期待できる問題だということになります。

 

入試問題は、中学校で学習する全範囲から出題されます。どの単元からどんな問題が出るのかわからないということは、苦手な単元、理解不足の単元から出題される可能性も大いにある、ということ。逆にいえば、理解不足の単元を減らすことで、合格に一歩近づけます。

 

反対に、理解不足のまま放っておいて入試を迎えることは、不安要素を抱えて挑むことになります。少しずつ不安な要素を減らしていくことは、受験生にとって堅実な勉強方法です。

 

広い出題範囲の中で、そういった「自分の弱い部分」が、実は「補強できる部分」=「得点アップの可能性」だと思えれば、そこに向かって勉強を進めることができるでしょう。

 

息子の場合、苦手科目は国語。国語の学力だけは、「このままではまずい。なんとかしないと最後に足を引っ張る」と危機感を持ちました。そこでまず、模試受験者の平均点以上は必ず取ることを目標に、計画を立てて勉強に取り組みました。

 

■ミスの傾向

 

 

また、模試は自分の犯しやすいミスの傾向にも気づかせてくれます。自分がどういう問題を間違えやすいのかを知っておけば、ミスを減らせるのです。例えば、どうしてもケアレスミスをしがちな受験生は、見直しの時間を確保して、問題文を読み返す、計算は見直すなど、点数を取り落とさない対策をとりましょう。

 

息子の場合、問題文を最後まで読まずに答え方を誤る他、単純な計算ミスなどが模試を受け始めた頃にはよく見られました。受験終盤になっても慌ててしまい、どうしてもミスすることはありました。とはいえ、ケアレスミスはゼロにはならなくても、意識的に減らすことはできるでしょう。

 

どんなミスをしやすいのか、どんなミスに気をつけたらいいのか、わからせてくれるのが模試。同じようなミスを防ぐために、どんなときに注意すべきかを知り、そのミスを減らすように意識して取り組みましょう。そういった部分に気づかせてくれるのも模試なのです。

 

本来なら取れていたかもしれない類のミスは、とても悔しく残念な減点になります。模試からわかった自分のミスの傾向に気をつけ、きちんと見直しをするだけでも、減らせる可能性はありますから、入試本番では極力なくしたいですね。

 

次ページどの問題から取り組むかは合格の鍵

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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