(※画像はイメージです/PIXTA)

模擬試験を受けることで、高校の合格に向けた作戦が立てられます。大手や中堅の塾では塾内で模試を定期的に実施しています。すなわち、模試は志望校合格へのマストアイテムといえます。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

どうやったら得点を最大化できるか

■模試を受ける理由


 
・自分の学力の現状や、強みと弱みを知ることができるから

 

受験を進めていくうちに不安に思うことのひとつは、この勉強で果たして大丈夫なのか、ということでしょう。このやり方で合格できる学力がついているのか、または、合格へ正しいベクトルで向かっているのか、努力している受験生なら誰もが不安に思うことかもしれません。特に、塾なし受験を選択した受験生とその保護者は、自分たちだけで進めているので気が気ではないでしょう。

 

そこで、模試の出番。模試はいわば、受験勉強における方位磁石であり、また、現在地を知らせてくれるマップのような役割を果たしてくれます。どっちに進んでいるのか、どこまで進んだのかを、知らせてくれるというわけです。模試で力試しをして、学力定着の確認をすることで、自分の学力の現状を知ることができる。これは、塾あり塾なしに関係なく、全ての受験生に共通です。

 

特に塾なし受験では、学力がついたかどうか自分自身で判断する材料が必要になります。その材料のひとつが模試であり、その結果をもとに、次の作戦を立てていく。こうして模試と勉強を繰り返すことで、可視化しづらい学力の定着度や理解度を測っていきます。ここでいう作戦とは、「どうやったら得点を最大化できるか」という、入試突破のポイントを押さえた合格への作戦のことです。

 

入試で最も大切なこの「得点の最大化」は、模試で次のポイントを知ることによって目指せます。

 

・苦手教科、苦手単元
・犯しやすいミスの傾向
・解答を優先すべき順位

 

これらは、返却された模試の答案用紙の解説面を見るとわかります。成績表の表面は、志望校判定を掲載している模試が多いため、裏面や別添えの場合もあります。内容は、各模試によって異なりますが、答案用紙の解説、学力分析、正答率グラフ、記述解答の採点詳細、領域のアドバイスなどが書かれています。この答案用紙の解説面が、得点を上げていくポイントになる部分です。

 

例えば、学力分析表で、

 

・×が並んでいる領域 ➡ 苦手、もしくは理解不足など弱点となる単元の可能性
・受験生の正答率は高いが誤答だった場合 ➡ ケアレスミスや勘違いなど、正解できる可能性が高い

 

といった具合です。まず、その誤答がどのような間違いで、なぜ間違えたのか思い出しながら考えます。時間が足りなかったという場合もありますね。さらに、その問題に対してどのような対策をすれば、次に間違えないかを考える。これが、得点を上げていく方法になるのです。

 

塚松美穂著『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)より。
塚松美穂著『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)より。

 

次ページ模試結果が「隠れた弱点」をあぶり出す

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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