相続不動産を漏れなく調べる6つの方法
本稿で解説する「相続不動産を漏れなく調べる方法」は、以下の6つです。
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<相続不動産を漏れなく調べる方法>
①固定資産税の納税通知書
②名寄帳
③権利証
④登記簿謄本と共同担保目録
⑤公図をとって隣接地の登記簿謄本を調査
⑥マンションの場合は共用部分も出してもらうように法務局で謄本請求
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以下で1つずつ見ていきましょう。
①固定資産税の納税通知書
まず1つ目は、固定資産税の納税通知書を調べるという方法です。不動産を持っている方であればご存じかと思いますが、毎年4月や5月頃になると、市区町村や都税事務所といったところから「固定資産税を払ってください」という通知が送られてきます。
その通知の中に「課税明細書」というのが入っていて、この明細書に固定資産税が課されている不動産が一覧で記載されています。税金を払っている土地や建物が一括で載っていますから、課税明細書を見ればどんな不動産を持っているのかがわかるというわけです。
ただ、固定資産税の納税通知書にはデメリットもあります。非課税の不動産(私道など)が載っていなかったり、共有名義の不動差が記載されていなかったりする可能性もあるので、注意しなくてはいけません。
共有名義不動産の固定資産税は、持分が最も多い人に請求が行き、その後に共有者同士で精算させるような流れになります。持分が少ない人の課税明細書には共有名義不動産が載らないため、課税明細書では把握できず、漏れが生じてしまうことになります。
とはいえ納税通知書は「税金を払いなさい」という通知になりますので、登記されている建物に限らず、登記されていない不動産も記載されています。未登記の不動産に気づける可能性があるというのは長所です。
【固定資産税の納税通知書】
◎課税されている不動産が一覧で記載されている
◎未登記の不動産も記載される
△非課税の不動産(私道など)や共有名義の不動産は記載されない
②名寄帳
2つ目は、名寄帳を確認するという方法です。先ほど、固定資産税の納税通知書には非課税の土地や共有名義の土地は記載されないと説明しました。一方、この名寄帳には被相続人名義のすべての不動産が一覧表として記載されています。
また、固定資産税の通知書だと被相続人本人に通知されます。すると、冒頭で述べたような不仲きょうだいが相続人である場合、通知書は被相続人がいる実家のほうに送られますから、弟は見られないわけですよね。しかし名寄帳であれば相続人が請求することができますから、弟側が確認する良い材料になります。
ただ、実は名寄帳にもデメリットがあります。被相続人名義の土地や建物が全部一覧として記載されるとはいえ、そこには名寄帳を請求した市区町村内にある不動産しか載らないため、他の市区町村に所在する不動産までは確認できません。
また、非課税の不動産についても、市区町村によっては記載されていない場合があります。つまり名寄帳だけを信じると、たとえば非課税の私道を所有していた場合には、それが漏れてしまう可能性もあるわけです。
【名寄帳】
◎被相続人名義の不動産が一覧で記載されている
△同一市区町村内でしか記載されない
△非課税の不動産は記載されない場合もある
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