【独身資産家殺害】容疑者となった養子、自死…相続権を巡る、法律の「恐るべき不条理」【弁護士が解説】 (画像はイメージです/PIXTA)

ある資産家の独身女性が殺害された事件で、容疑者は女性と養子縁組した男性で、しかもその男性が拘置所で自殺するという驚くべき展開がありました。そこで問題になるのが、殺害された女性の資産の行方です。果たして相続権はどうなるのでしょうか。高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が解説します。

拘置所で容疑者が自殺…資産1億円の行方は?

春子さんの娘の夏子さんが、自宅で変死している状態で発見されました。

 

夏子さんは独身で子どももいませんでしたが、春子さんの知らない若い男性、冬樹さんと養子縁組していることが発覚しました。

 

警察の捜査が進んだ結果、なんと殺害容疑で逮捕されたのは、夏子さんの養子である冬樹さんでした。

 

ところがその後、驚くべきことに、逮捕された冬樹さんは拘置所で自殺してしまったのです。

 

夏子さんは、春子さんの夫で夏子さんの父親である秋男さんから相続した、約1億円の資産を持っていて、夏子さん死亡後に冬樹さんが相続しました。

 

冬樹さんには、離婚協議中の妻・葉子さんがいますが、子ども、両親、きょうだいはいません。

 

夏子さんの1億円はどうなるのでしょうか。

 

①冬樹さんは、夏子さんを殺害していることから、相続資格を失うので、春子さんが冬樹さんの相続人である葉子さんに返還請求ができる。

 

②冬樹さんは夏子さんを殺害していても有罪判決を受け懲役刑を受ける前に自殺してしまったので、相続資格を失わず、夏子さんの1億円は冬樹さんに相続され、離婚協議中の葉子さんが相続することとなる。

 

③夏子さんの1億円を冬樹さんに相続させないためには、養子縁組を無効とする必要がある。

 

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    高島総合法律事務所
    代表弁護士 

    1965年生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科卒業、1994年弁護士登録。第一東京弁護士会所属。現在、高島総合法律事務所、代表弁護士。

    不動産会社、個人の資産家等の顧問を務めており、『相続・遺産分割する前に読む本―分けた後では遅すぎる!』、『訴えられたらどうする!!』、『企業のための民暴撃退マニュアル』(以上、税務経理協会)などの著作がある。

    「遺産相続・遺留分の解決マニュアル」をホームページに掲載している。

    著者紹介

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